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2007年6月9日土曜日

電波解析レポート~「まもなく宇宙人が到着します」第二章

陸上自衛隊情報保全隊の一件は、
「結局共産党の勇み足で自衛隊の防諜能力不足を暴露しただけ」ってな方向へ収束しつつあるようです。
http://obiekt.seesaa.net/article/44079212.html
http://nandemoari2nd.blog95.fc2.com/blog-entry-147.html
http://muyo.exblog.jp/6262894
ってか、ネタの投下でオブイェクトより早かったのは今回が初めてだな。
やはり自前の回線を持つだけでもレスポンスがこれだけ違ってくるのか。

さてと、政治の話はこの辺にして、「まもなく宇宙人が到着します」の電波解析レポートへ移りましょう。
…と、言ったところで、第二章がうちゅうぢんとの間に結ばれた国際協定についての話で、バリバリ政治的な話題なのですが。
それゆえ、今回はサイエンティフィックな方面からの突っ込みよりは単なる事実確認がメインとなります。

えっとですね、要するに第二章では1998年に銀河連邦とアメリカとの間で
NESARAとゆー協定が結ばれたのだと言ってます。
で、アドレスが書かれてますね。
http://www.nesara.us/pages/home.html
そんで、この本にも参考文献として挙げられていますが、このような本もあるようです。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31460262
アマゾンにもあるんですが、こっちの方がアドレスが短いんで、これを載せておきます。
で、この本では「いわゆる「影の政府」と呼ばれる人々の内部分裂がNESARAを生んだ」早い話がカネは流通することにその存在意義があるのに、現実には世界の95%もの富が5%の人々によって握られている。
これでは資本主義が本末転倒ではないか…といった感じのいわば「新世紀の共産主義」とでもいうべき発想から始まって、
「もう一つのNESARA」
「9・11テロはNESARA阻止のための自作自演だったのか?」
「チャネリングによるNESARA 」
…てな感じのデムパ方面へ流れてゆくというような内容の本になっています。

一方、「まもなく宇宙人が到着します」では、どちらかというと宇宙人との間に結ばれた宇宙についての情報公開と世界経済の不平等の是正を迫る内容の協定というような書き方がなされています。

つまり、全体的に「NESARAを実行すると不平等が無くなるんだ」という論調こそ共通してはいるものの、ネットなどに公開されている共通情報を離れて細かい背景の部分に入ってくると、なにやら言ってる人によってNESARAの実態が違う…という状況になってくるみたいです。

一方、小官が顔を出してる掲示板では、それ関連の話題がこんな感じになってます。
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/future/1180956274/
煙に巻かれるとはまさにこの事を言うのでしょう。
うーん、専門外の話をすると疲れるねぇ。

さーて、来週のサ○エさんは?
第三章:意識革命をとげる人、拒絶する人

…ナニこれ、選民思想?
おっと、予断はいかんよな予断は。

2007年6月6日水曜日

またしても騒動の予感!

この間、平和反戦運動家の方が極端な事をやって騒ぎになったんですが、
http://obiekt.seesaa.net/article/42364764.html
またしてもこのジャンルで騒ぎになりそうな事件が発生しました。
http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=m20070606-046&d=20070606
ええと、なになに、
共産党の志位和夫委員長は6日、自衛隊関係者から入手したとする「内部文書」を公表し、「陸上自衛隊の情報保全隊が市民団体やジャーナリストの活動を監視している」と指摘した。
ふむ、
防衛省はこれに対し、「内部文書かどうか確認できないが、この種の資料は作成した。イラク派遣の反対運動が高まっていた時期で、対応を考えるのが目的。違法性はない」としている。 
一応事実らしきものは存在しているのか、なるほどこいつぁよく燃えそうだ。

と、ゆうわけで、こないだ自前の回線も開設してネトカフェへ通う手間も無くなった事ですし、これまでよりこまめに情報収集をしておきたいと思います。

2007年6月2日土曜日

電波解析レポート~「まもなく宇宙人が到着します」第一章

と、ゆうわけで始めていこうと思いますが、
著者は占い師。で、いきなり「宇宙人は実在する」とやっちゃってますから、
良くも悪くも常識的な方はこういった書物に書かれている内容を一顧だにしないと思います。

にもかかわらず小官がこんな事業に手を出すのは、この本が日本人デムパ系の中でも至って典型的な主張をしており、また、書店で入手できた。
つまり、入手しやすくしかも理想的なサンプルであったからなのです。

ではでは、今回は第一章「宇宙人・地球外文明が存在する真実」を扱いましょう。
文章量も少なく、この調子でやってゆけば八本の記事が書ける・・・
これくらいのメリットが無ければ1200円も投資しませんって。
冗談はさておき、とりあえずこの強烈なデムパの嵐の中から一応話の通じそうな部分を抜粋して突っ込んでみます。
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今世紀文明の一番悪いところは、目に見えないものしか信じようとしないことです。
 現代人は目に見えないものについて、「そんなもん、信じられるか」といいます。
 私たちは目に見えないものについて、じつはこれこれがあるんです、あれがあるんですっていわれても、まず拒否反応を示しますね。
 でも、目に見えないからこそ大事なものは、いくらでもありますよね。

 もう、そこが間違いなんですよ。
 データなんて信じなくていいんです。
 遠赤外線は、目に見えない温かい光線のことですね。冬、日陰は寒く、太陽に当たると温かいのは遠赤外線があるからです。
 たとえば、
「目に見えない遠赤外線があるんです。とても体にいいんですよ」
 といわれても、これだけ病気が治ったとか、実験・裏づけデータを見ないと誰も信じない。
 波長20から25ミクロン以上といわれる遠赤外線がないと、人間や生物は育ちません。だから遠赤外線は育成光線ともいわれるんですね。
 もっとも近ごろでは目に見えないマイナスイオンが体にいいというのは、すでに常識化しつつありますけど。
 最近は、目に見えない精神世界に関心をもつ人たちが、徐々にふえていますよね。
 それでもまだ人間は、UFOとか、宇宙人というと、うさん臭い顔をする人が多いんですね。

 たとえば、秘密結社のイルミナティ(地球の影の支配者といわれる少数の人達)など、世の中を支配したいと思う人たちは、何も見ざる、いわざる、聞かざるにさせちゃえば、人類全体のコントロールは簡単なんです。
 影響力のあるメディアを使って「右に行きなさい」といいますね。「そうか。右に行くといいことあるんだな」と思わせてしまえば、みんな一斉に右に行くわけですよ。
 そうやって人類をコントロールしてきたから、今急に「じつは、あなたは自由なんです」といわれても、どっちに行っていいかわかんないでしょ。
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 きちんと校正をかけてないのか、しょっぱなから変な誤植がありますが、これは無視して本題に入りましょう。
科学というより科学の方法論の話になりますが、
一般的に「科学者は目に見えるものしか信じない」と言われていますが、これはあんまり正確な表現ではありません。
科学の方法論とは基本的に数学と同じで、ある命題が真か偽かを判定し、次にその命題を下敷きに新しい問題に取り組むというものです。
したがって基本的に白黒はっきりした問題しか扱えず、研究者はここに足場を置いた上でグレーの領域を開拓してゆく… というのがルネサンス以降科学者がやってきたことであります。
つまり、「目に見えるものしか信じない」のではなく、
「目に見えないものについて論じることはできない」のです。
宇宙人や幽霊の類が「非科学ではなく未科学」というのはこの辺の事情を弁えた上での表現なわけです。

次いで、サイエンティフィックなところに突っ込みます。揚げ足を取るようで悪いのですが、
「遠赤外線が体にいい」というのはかなり大雑把で乱暴な言い方だと思います。
そもそも遠赤外線に限らず赤外線は基本的に熱作用を持っています。
そして生物は基本的に暖めてやれば、成長や疾病・障害の治癒は勿論、老化までもが加速されるのは常識であります。
さて、ここで敢えて「遠赤外線が体にいい」と言うためには、遠赤外線を照射したグループと、遠赤外線以外の赤外線で同等の熱量を与えたグループ、そして、熱線は一切照射せずにヒーターで同等の熱量を与えたグループとで比較実験を行い、「暖めさえすれば何でもいいのか、それとも遠赤外線でなくてはならない理由があるのか」といったあたりを厳密に調査しないといけないと思います。
http://uni-site.net/yoshi/water/ikuseikosen.html
おまけになんか育成光線の波長の記述に間違いがあるし。

そしてこれがマイナスイオンともなると、これはもうえらいことになります。
というのは、「そもそもマイナスイオンって何よ?」というもっとも重要な問題が実は解決されてなかったりするからなのです。

おまけに電気屋さんが空気清浄機を売りたいがためにこの問題に干渉して更に状況をややこしくしてしまっています。
少なくとも、一般的に売られている「マイナスイオン発生器」の基本的な構造は、針状の電極に高電圧発生回路等で作り出したマイナスの電荷をチャージして放電させる… というものが殆どなのですが、
空気に高電圧をかければ静電気による凝集効果で空気中の細かな埃を取り除く作用が発生することが知られており、発電所のばい煙処理や半導体工場のクリーンルームなんかに応用されています。

つまり、空気をきれいにした結果健康にプラスに作用するのか、或いはなんかマイナスに帯電した分子が飛んでって直接健康を作り出すのかといったことすら判らないのです。
だけど、電気屋さんは空気清浄機が売れればそれでいいので、この辺の問題をまじめに検証してはくれません。

で、先にも言いましたとおり、こういった未解明でデータの出揃っていない問題はあくまでも「非科学ではなくて未科学」なのです。
そして、もっとも重要な点なのですが、こういった未解明の命題に挑むにあたって、科学者は何らかの先入観を抱いて結論を下すことがあってはならないのです。
ここで「目に見えないものこそ大事だからデータなんか信じない」とやるのはまさにその先入観なわけなのです。
 遠赤外線にせよマイナスイオンにせよ体にいいか悪いかは少なくとも現時点で科学的にはっきりした裏付けがあるわけではない… なのに「いいに違いない」と判断してしまうのは軽率でしょうと。
実はこの論理の飛躍にこそ「オカルトの人」の典型的な特徴が現れるのです。

最後にイルミナティについてですが、これは陰謀論大好きな人達の最近のトレンドみたいです。
で、この本の著者は「見ざる言わざる聞かざるにしてしまえば人類全体のコントロールは簡単」と書いてますが、これもまた現状認識としてちょっとアレです。
民衆を「三サル状態」へと誘導するためには、じつは十分に行き届いた政治でもって彼らに安穏な生活を保障してやる必要があります。そうでないと日本人以外の民族の場合暴動が発生する。
事実「最良の政治とは賢帝による専制政治」なんて言葉があったりします。
で、こういった理想的な条件を整えても必ず「右へ行け」と言われて左へ行ったりその場に寝転んでいびきをかき始めたりする「アノマリー」ってやつが現れる… これをどこかの国みたいに力で直接押さえつけても歩留まりが100%になることはまずありません。
…ということは、実際に世界を支配するためには、大勢の人々に「自分は自由だ」と思わせておきつつ、教育や報道、宣伝といった情報源へ長期的に浸透して「全体として一つの方向へ走るように工作する」といったあたりが現実的みたいです。
が、そうやって大勢の人達の思想を支配しても、実は彼らは支配する側の言うことを聞いてくれるとは限りません。
なぜならば人間とは「自分の見たいものを見る生き物」だからです。
つまり、皇帝になって民衆を支配したとしても、民衆の聞きたくないことを口に出したら、その時点で失脚確定なわけです。

…以上の事実を踏まえて、イルミナティかそれに類する組織の実像を「ある」という前提のもとに推定してみると、世界の報道機関の地下に大規模なネットワークを保有していると思われ、また、民衆に安穏な生活と自分たちは自由だということを意識させておくために、下部組織としていくつかの慈善団体や政治活動団体の類を保有している可能性もあります。
しかし、影の支配者とはいえ社会組織に寄生して生活しており、なおかつ民衆の支持を失えばその支配体制が揺らぐことになりますので、表立って度派手なことをやらかしたり、自ら民主主義を破壊するようなアクションはとりづらいと考えられます。
ある意味では彼らこそ民衆に支配されているとも考えられるでしょう。
つまり、そういった集団が存在したところで、ある意味でネオコンや経団連より怖い団体にはなり得てもUFOビリーバーほどエキセントリックな存在になりうる材料があるとは考えにくいわけです。

2007年5月26日土曜日

新シリーズ予告編~電波解析の業務に手を出したいと思います

相も変わらない琉球新報の報道にはうんざり。
http://obiekt.seesaa.net/article/42261087.html
自称平和運動家の方がグリーン○ースまがいのことをやらかして危うく死人が出るところだったというのに
(もっとも、ご本家の方では既にああいった行為に走る情熱的な方は異端視されているそうですが)
防衛省いぢめを改めようともしない。

まあ、知事選と基地問題以外あんま政治ネタのない辺境で新聞なぞ書いていたら、遅かれ早かれこうなってしまうのかも知れませんが、
「よし、今度はどんな記事を書いて琉球新報を叩こうか」なんてやるのも大人気無いような気がしますし、こういったネタ作りの結果としてこのブログが政治色強くなってしまうのもあんま好ましいとは思いません。

と、ゆうわけで、こないだ本屋で見つけた
「もうすぐ宇宙人が到着します」という題名の本、
これ、強度のUFOビリーバーが書いてて、
(何でわら半紙に印刷されてないんだ)
と思うほどデムパゆんゆんな内容の本なんですが、こいつを購入し、しかるのち電波解析と称してこれの間違い探しと作者の心理に対する考察といったことをやってゆきたいと思います。

…まあ、ブログってやつはそもそも自虐ネタをやるためにあるような場所であって、他者への攻撃みたいな事は好もしくないのですが、フォトンベルトとか悪の秘密結社とか、デムパの世界において王道と言っても差し支えないような事ばっか書かれている本なんで、
「ミリタリーとSFそしてちょびっと政治」を看板としている我がブログとしては、サイエンティフィックな角度からこういったのに迫っていこうとまあ、こうゆうわけですね。
それでは乞うご期待。

2007年5月19日土曜日

あの人だって人間なんだ?

前回の記事で琉球新報について
「こいつら時代が時代なら先頭に立って軍国主義を賛美してたんジャマイカ」
との印象を抱いてしまいますね。
なんて言ってたら・・・今日の朝刊の27面にこんなのがありました。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23882-storytopic-1.html

あとでリンク切れると困るので抜粋
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沖縄学の父が戦意高揚の寄稿文
 沖縄学の双璧(そうへき)とされる伊波普猷(1876-1947年)と、東恩納寛惇(1882-1963年)が、相次いで戦意高揚を図る文書を東京新聞に寄稿していたことが、18日までに分かった。伊波は沖縄戦が始まった1945年4月3、4の両日、日本人として「真価を発揮する機会が到来した」「勇戦大きな期待を抱く」などと記述している。東恩納は組織的戦闘が終結した直後の6月27日付で「本土防衛に鉄壁布陣の時間を稼いだ」と守備軍の功績をたたえている。米軍の本土上陸に向け戦意高揚に一役買っている。
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で、この資料が埋もれていた理由について、
「民主主義者または時局批判者の伊波がこうしたものを書くはずがない、という思い込みや予断が研究者を含む多くの人たちの中に頑にあったためではないか」
と言われているそうです。

…判っていたさ、判っていたよ。物書きがこういう人種だって事は。
まあ、「沖縄に理解を示す人物だからといって必ずしも平和反戦ではない」という当たり前といえばごく当たり前の話で、また、沖縄学の父といえども、昨今主流となっている「オリジナリティーで勝負しろ」という意見を持っていたのではなく「沖縄人は日本人の一部」というのがその主張だったというわけでなかなかに興味深い資料ではあります。

ちなみに沖縄戦とその後の歴史について概略を述べますと、戦前、日本軍は沖縄を前線基地とは見なしておらず、国境は台湾海峡の辺りにありました。
事実、台湾大学の前身は旧帝大であります。
で、戦略上の失敗なんかもあって沖縄にはろくな地上兵力が集まらず、対馬丸の例にも見られる通り米軍の通商破壊で住民も避難できないうちに米軍が上陸してきて凄惨な戦いが繰り広げられます。
特に激戦が繰り広げられたのは宜野湾市、浦添市、西原町の付近で、いくつかの部隊はここで全滅したので、小官が小学生の頃まで嘉数高台公園には慰霊碑がたくさんありました。
ただし、戦後かなりの時間が経つと、遺族の中にもきちんとした情報を知っている人がいなくなって、糸満の平和記念公園へ行ったのに慰霊碑がないと苦情が来るようになったので、あらかたそっちへ移設されてしまい、現在嘉数高台に残っているのは「京都の塔」のみだという話です。
http://www.odnsym.com/spot/kakazu.html
http://www.odnsym.com/pic/m/kyoutotou.html
その後、沖縄がアメリカに占領されると、植民地として、前線基地として、生き残った沖縄の住民は苦しい生活を強いられることになりました。
事実、「アメリカは自由の国ではないのか」と問うた琉球政府の代表に対して、「いかにも、わが合衆国は自由の国である。しかしそれは琉球人には適用されない」と軍の高官が語ったというエピソードも残っています。
(今にして思えばかなり誇張が入っているような気もするが)
当然、そういった中で本土復帰への思いは強くなっていくのでした。
ところが、本土へ復帰して日本人になっても沖縄から米軍は出て行かなかった。
国から来るお金は一部の人にしか回らず、依然として経済格差は存在し続け、基地負担は減るどころか自衛隊まで来た。

こうして日本に対する失望が広まる中で昨今の
「オリジナリティーで勝負しろ」という主張が出てきたのです。
そしてそれはある程度成功を収めました。
が、結局のところ、沖縄の人々が理想と妥協の間で生きてゆかざるを得ない現状は変化しておらず、特に一部の人たちは極端な思想・行動に走ってしまう…

まあだいたいこんなところです。

2007年5月12日土曜日

楽しい核物理学講座その5~核を小型化するとはどういうことか

ラプたん帰りましたよ。
で、琉球新報は素直に喜びゃいいものを、一面トップで
「轟く爆音未明に離陸強行」
ですって。
ま、あえてそういう物の見方をすることで飯を食ってる人たちですから、放置しときましょう。
しかしアレですな、物言いが好戦的とまでは言わんが、このテの記事を読むと
「こいつら時代が時代なら先頭に立って軍国主義を賛美してたんジャマイカ」との印象を抱いてしまいますね。
もっとも、小官がアマノジャクなせいかもしれんが。

さて質問です。
広島型原爆は64キログラムのウランを使用し、おおよそ15キロトンの破壊力を発揮しました。
それでは15トン相当の破壊力を発揮する核兵器をこさえるにはウランがどれくらい要るでしょうか?
64キログラムの千分の一で64グラム?
そんな事言ってる人は前の講義から読み直して下さい。
そもそも「核物質」「超臨界状態」にならんと「核爆薬」として機能しないのです。
そして「超臨界状態」にできる最低限の量が一般的にはウランで15キロ、プルトで4キロと言われているというのが前回の講義の要点です。

では、爆発力の大きな原爆と小さな原爆では何が違うのか?
それは平たく言うと、燃焼の効率です。
例えば広島型だと、実際に「燃焼」したのは全体のせいぜい1%、つまり640グラム程度だと言われています。
単純計算すると、全部燃焼した場合、1.5メガトンの破壊力を発揮したことになりますが、リトルボーイはごく一部が燃焼してそれなりの熱量が発生した時点で爆弾自体が蒸発・爆散して超臨界状態が消滅し、連鎖反応が進行しなくなった結果、15キロトン止まりだったというわけです。
そして2の7乗が128ですから、リトルボーイでは連鎖反応が完了する7~8世代前にだいたい反応が停止したと考えてよいでしょう。

この燃焼の効率を高めるためには、当然連鎖反応途中まくりの核物質を爆散しないように十分長い時間狭い空間に閉じ込めておく必要がありまして、そのためにはとても重くて硬い物体でこれを閉じ込めておくという方法が一般的です。

そのための重くて硬い部品をタンパーといいまして、ファットマンなんかですと、中性子を反射して臨界量を小さく抑えることや、連鎖反応で発生した中性子で二次的に反応させることなども狙ってこの部品は劣化ウランで作りました。

当然、タンパーが軽く軟らかい物質だったり全く無かったりすると同じ量の核物質でも反応が十分に進んでいないより早い段階で核物質が爆散して威力低下となります。

要するに、不完全なタンパーを使えば核兵器の威力はいくらでも小さくできるのです。

一方、核兵器のサイズを小型化するためには、いろいろなアプローチがありますが、主となるのはコアの小型化と爆縮方式の簡略化です。
まあ、核兵器のサイズや重量を小さくすればそれだけ運用性も向上するので、じつを言うとこれはかなり研究が進んでいます。

コメ国の例で言いますと、1965年に重量177キログラムの核地雷をこさえ、後に重量70キログラム、破壊力0.1もしくは1キロトンの可変で歩兵がリュックに背負って歩けるというブツを作る。
ちなみにこいつは日本のテレビにアメリカの「核ミュージアム」が出てきたときに全国に紹介されていたはずです。
で、280ミリ核砲弾が後には小型化されて普通の榴弾砲から発射できるようになったり、
有名どころでは核バズーカの「デービークロケット」でしょうね。
こいつの開発が始まったのは1958年。
重量は35.5キログラムで破壊力はTNT20トン相当。
1961年から1965年までの間に400個生産され、実際に試し撃ちも行われております。
http://www.sonicbomb.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=56
まあ、現実的に鉄板原爆に近いのはこのあたりでしょうね。

こいつらは基本的に爆縮方式の簡略化によって小型化を達成しているみたいです。
具体的には「リニア・インプロージョン方式」といいまして、鉄パイプの両側にそれぞれ臨界量の半分のプルト半球と火薬を仕込んでおき、同時に点火して合体と爆縮を同時並行に行うと…
この辺のメカニズムは鉄板原爆に通ずるものがありますが、これとても核物質を臨界量以上用意しないといけないという点ではテロリストが簡単に製作できるようなシロモノではありえません。
加えて言うならば、誰でもすぐに推測できるように軸方向から来た衝撃波が周方向へ逃げる構造なので、当然爆縮効率もよろしくないです。

今ひとつのアプローチであるコアの小型化については、タンパーを中性子反射効率の高い素材(例えばベリリウム)で作ったり、爆縮効率の向上で達成できますが、特に後者である爆縮効率の向上については、これは爆縮レンズ系を大型化させぬように…とか考え始めると爆弾の小型化のためにはどうしてもトレードオフになりますんで、実験もなしに一回こっきりの特攻で確実に爆発させたいテロリストにとってはやはりハードルが高すぎると言わざるを得ないでしょう。

と、ゆうわけで、小官がテロリストならば俗に言うスーツケース原爆(平たくてスリムなロシア版の核地雷)を入手してそのまま使いますね。
小官が科学者ならば興味本位で鉄板原爆を作るかも知れんが、(臨界量の兵器級プルトを入手する時点で数十回はブタ箱行き確定だが)科学者だけに当然ハゲが怖いので製作は最低でもグローブボックスを使用し、爆発実験はタイマー付けて海溝にドボンし、地震計とにらめっこくらいの安全策はとりたい所です。

とりあえず核物理の講義はこれでおしまいと致しましょう。
ではでは。

2007年5月5日土曜日

戦勝国の傲慢

うちがソースに使ってる「テクノバーンが」なんかごたごたしてるもんですから、
http://obiekt.seesaa.net/article/38636331.html
過去の記事なんかにリンク切れが続出して改めて無限更新地獄の恐ろしさを思い知らされているハインフェッツです。
これじゃ正直手が回りませんよ。

で、本来ならば今回は「デービークロケット」なんかの話から
「そもそも核兵器の小型化とはどういうことか」という流れで鉄板原爆の検証に行くつもりだったんですが、情報収集の最中に
「んんんー?」と思うような事がありましたんで、政治の記事に差し替えさせていただきます。

問題は「ニューズウィーク日本語版」のゴールデンウィーク合併号。
43ページにテンプル大学ジャパンキャンパス教授のフィル・ディーンズってジャーナリストが書いている
「日本だけじゃない歴史のごまかし」ってコラムです。
日本の過去を公然と批判する中韓にも「歴史の汚点は存在する」という視点には同意できますが、結論がねぇ…
というわけで、
「マスコミは権力の監査機関、ネットはマスコミの監査機関」という言葉もあることですし、問題のコラムの結論の部分を転記しておきます。
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 もちろん、日本と近隣諸国が患う「歴史健忘症」には大きな違いがある。中国、北朝鮮、韓国、台湾は過去の嫌な出来事を隠そうとする罪を犯しているかもしれない。だが、中国がチベットに、国民党が台湾に、北朝鮮が韓国に与えた苦痛は、国境が争点になっていたとはいえ、主に国内問題といえる。これに対して、日本は次々と他国を侵略し、人々を苦しめた占領者である。
 日本は第二次世界大戦で無条件降伏し、侵略戦争の責任を公式に認めた。日本政府は自らの歴史に特別な責任を負っているのだ。その責任を誠実に果たさないかぎり、アジアにおいて歴史を政治問題化する動きは終わらない。
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よーするに日本は無条件降伏したとき、「あれは侵略戦争でした」とやったのだからほかの国がやってることは国内問題でも太平洋戦争は日本の侵略戦争なのだと。
そして侵略戦争だと認めた以上は相応の責任を果たさねばならぬのだと。
(この責任の概念がかなり曖昧で、時系列に従って拡大解釈されてゆくのがリベラルを名乗りながら中共の手先と成り下がった知識人に特徴的な主張のパターンである)
つまり、中国が石油欲しさに南シナ海を獲っちゃった一件も、先方が侵略だとは認めていないので、国内問題ってわけです。
勝てば官軍でつか!

まあ、それが国際社会の不文律なんですけどね。…
たしかに小官も、
「一度過去をきちんと清算しないかぎり、まずまともな外交というものをやるための前提条件が整わないではないか」
と思っていた時期もありましたけど、今では歴史ネタはたいていの場合日本叩きと金銭せびりが目的だと知ってしまいましたからねぇ…
まあ、あれです、このての人にはまずこう言ってみます。
「あなたは先方の要求を全面的に呑むことが騒音おばさんに常識を弁えさせる最良の方法だと思われますか?」と。
さてと、次回こそは鉄板原爆をやりましょうね。