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2013年6月26日水曜日

鎖帷子を作ってみた

 航空自衛隊の隊員がコンプレッサーで悪い遊びをして病院へ運び込まれたようですね。
ビーチボールに空気を入れるフットポンプじゃないんだから本当に危ないだろ、バカなの?

…という話で始めようとしたら、この半年で日本復活への道筋をつけた総理がよっぽど気に喰わないらしく野党が一致団結して問責決議ですってよ。

敵国から使者が来た場合、有能な人物なら冷遇し無能な人物なら厚遇せよ、そうすれば敵国では無能者が評価されるようになり、やがて敵国は滅びへの道を辿るだろう…
という話を聞いたことがあるが、こいつらにとっては日本そのものが敵なのかよ。
で、政局は実質このままで選挙に突入するようですが、ここまであからさまな反日姿勢を見せられてまだ民主やみんなの党といったあたりに幻想抱いてる人が居たらこれはもう参政権を返上した方がいいですね。
つか、事実あいつらは原発を爆発させた戦犯だ。

 さて、今回はなぜか鎖帷子の話でもしようと思います。
以前ネットでこういうものを見かけてティンと来たんですが、シャツ一枚に四マソは無いわーという事で無いものは作ってしまえとばかりにホームセンターへ足を運んだのが二月ほど前の事。
今回はその時の事をざっと報告し、次回はちょこちょこっと考察を付け加えようと思います。












今回使用した工具
基本的な鎖帷子を作る場合これが最低限の工具となりますが、これだけでも数千円の出費となります。
牧港のさくもとで購入した1.2ミリのステンレス線
500グラムごとに個包装されて一つ900円くらいで売ってます
これを三周分くらい切ってプラスドライバーに巻きつけていきます。
プラスドライバーの胴の部分は外径が決まった太さの工具鋼の円筒であるため、ワイヤーの反対側の端を固定する物が何もないという点を除けばこの作業におあつらえ向きの工具となります。
ちょっと判りにくいですがこれは失敗例
油断してワイヤーが脱線し、同じところへ二重に巻いてしまいました

話も少々脱線しますが、この作業はけっこう細かい上に力加減も肝心なので写真に写っているような手袋などを着用しているとやりずらい事この上ありません。
…が、ステンレス線は固くて弾力がある上に、ワイヤーカッターなどで切った場合その断面は刃物のように尖っているので素手でやるとびよんびよん跳ね回るステンレス線の先端であっという間に切り傷をこさえてしまいます。
なので他人に教える立場としては
「絶対に丈夫な手袋を着用した上で作業してください」
としか申し上げられませんので、あしからず。

さて、マキマキしたワイヤーが脱線しちゃった時の対処法ですが

そんな場合には慌てず急がず、脱線した個所をペンチで挟んで心棒となっているプラスドライバーに押し付けるようにかしめてやります。
…ただし、ワイヤーの表面に細かい傷が付くのであまりほめられた方法ではありませんが。

ワイヤーの両端も同様の方法で処理できるので、非常に無駄なくコイルに加工することが可能です、エコですね。
出来上がったコイルはこんな感じで結構小さくまとまってます。

ステンレスはホームセンターで入手できる中ではピアノ線に次いで硬く弾力性のある素材なのでコイルというよりスプリングに近い感じです
このコイルを一巻ずつワイヤーカッターでプッチンプッチンと切り離して行けば、鎖帷子の構成要素となるリングが出来上がります。
…以上の作業で出来上がったリングの量はざっとこんなものです。
けっこう少ないですが、慣れれば三十分ほどでこれくらい作れるようになります。

また、この写真では判り辛いですが、ワイヤーカッターで切断する過程でリングにはけっこう大きな力が加わって"の"の字型に変形してしまいますので、鎖帷子に編むときはペンチでかしめるめるように微調整しながら真円っぽく整形してごまかします。
どうしてもここで妥協する形になってしまうのでワイヤーを心棒に巻き付けるときにきっちり固く巻き付けることにこだわる必要はありません。
しかし、一度切ったものはあとから伸ばすことができないので、コイルをワイヤーカッターで切り離すときには同じ長さに切れるよう決まったフォームで一本調子に切っていくべきだと思います。
で、編み始めがこんな感じ
一つのリングに隣接する四つのリングが通してある構造から、この編み方は4to1と呼ばれているようです
ただし、実際の所はこの写真のように向かってこちら側へ倒れたリングとあちら側へ倒れたリングが同数ずつほぼ垂直にかみ合っているので、上の五つのリングからなる構造ではなく、この八つのリングからなる構造が基本格子だと思います

ここで妥協点その2
本格的に鎖帷子を編んでる人達はこのページのようにリングの端面をロウ付けしてつなぎ目を完全に潰してしまいますが、これはちょっと日曜大工の範囲を超えています。
まあ、たしかにリングのつなぎ目はきっちりケアしないと、実際に攻撃を受けるなどの負荷が掛かった場合、この部分からリングが開いて鎖帷子は破壊されることになるのですが、それを作れるだけの工具を揃えようとすると、出費が一気に数万円のレベルまで跳ね上がってしまいます。

また、一般的にホームセンターで売られているステンレス鋼はオーステスナイト系ステンレスと言って曲げられると結晶構造が変化して硬くなる性質があるので、ステンレスという材料を選択した時点でここの部分のリスクは合金でもなんでもない軟鋼線を使用した場合よりだいぶ軽減できるのではないかと思います。

ただ、どうしてもつなぎ目をケアしたいという場合、小官は下手に安い機材でロウ付けやアーク溶接をするのはあまり関心できないと考えています。
…というのもオーステスナイト系ステンレスの場合摂氏500度~900度前後の温度範囲に置かれると徐々に金属結晶の中からクロムと炭素が抜けてきて強度や耐食性が損なわれるという弱点があるので下手な人がこれを溶接しようとモタモタ加熱してると、ほぼ確実にこの問題が発生すると考えられるのです。
更に言えば、銀ロウ付けの場合だと、まさにこの温度範囲で作業する羽目になる事に加えて基本的に鉄であるステンレスによりイオン化傾向の小さい銀ロウをくっ付けることにより更に深刻な腐食の問題に晒される事になるのです。

じゃあ、どうしろと言うのかと申し上げると、それはズバリスポット溶接です。
ステンレスは比較的電気抵抗が大きいためスポット溶接がやり易い事に加えて一瞬で焼き溶かして一瞬で冷ますというスポット溶接の加工法は上記のオーステスナイト系ステンレスの弱点が露呈しにくいので"製品の事を考える限りにおいては"これがベターな選択肢だと思われるからです。

だけど、家庭用のスポット溶接機ってまあ高価なんです。
宣伝するつもりはないので具体的な商品やメーカー名は申し上げませんが、特にステンレス線で1ミリを超えるようなものを溶接できるモデルとなると下手なノートパソコンより高価だったりするので、これを買うくらいならいっそステンレスの棚やシャンデリアを作る商売でも始めちまえってレベルです。

さて、鎖帷子の話に戻りますと、以上のようにして日曜大工レベルで作成した鎖帷子が
こんなもんです

こいつは10×10で100個のリングを二系統噛みあわせて二百個のリングで編んだもので、リングに使用したステンレス線の直径は1.2ミリ、ステンレス線を巻き付けたドライバーは4ミリなので、平均して内径4ミリ強、外径は6ミリ半ほどのリングで編まれていることになります。
慣れていない事もあってこれだけ編むのに20時間ばかり掛かってしまいました。

中世のヨーロッパでは鎖帷子は貴族だけが着用できる高級品とされていたようですが、たしかにそれだけの手間暇が掛かります。

で、懲りずにこんな物も作ってしまいました。
パッと見前の画像と変わらないように見えるかも知れませんが、下に置いた定規の長さに注目してください。

こちらは直径2.6ミリのステンレス線を内径8ミリに丸めて編んだもので、強度が大幅に上がった事に加えてリング自体が大きくなったので工数の割には広い面積を覆えるようになりました。
ただ、重量が非常に嵩み10×14で140個のリングを二系統の280個のこのサイズで500グラム巻きのステンレス線を全部使い切ってしまいました。
まあ、失敗して潰したリングなどは捨ててるんで実際には500グラムより数十グラムばかり軽いとは思いますが。

ちなみにこの線径になると当然ラジオペンチでは歯が立たないので普通のペンチでかしめるようにしながら作業しました。
ただ、一つ一つのリングが大きい分作業は楽になりましたが。

 以上で今回の報告は終了です。
次回は「ではどんな風に編めば丈夫な鎖帷子ができるのか」という考察を述べたいと思います。

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