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2009年3月28日土曜日

新エネルギーにはまだ遠い…

 どうやら国際宇宙ステーションの新しいモジュールにお笑い芸人の名前が付くようですね。
公約通りにやっているとはいえ、アメリカぢんが一体何考えてるのか判らなくなるような話です。

さて、同じテクノバーンからの話ですが、米海軍研究所が常温核融合の実験に成功したというニュースが入っています。

記事の内容を読む限りでは、どうやら89年に常温核融合ブームの始まりとなったフライシュマンとポンスの実験を高性能の検出器を用いて追試し直し、中性子を確認したとの事。

…フライシュマンとポンスの実験というのは重水溶液をパラジウムと白金電極で電気分解したら異常な発熱があり、中性子を検出したという有名な話です。
で、数年おきに追試に成功したという話が出てはパラジウムの値段が上がり、「間違いでした。てへっ」となってはまた値段が下がるという事なのですが、ウィキによると今でも少数の研究者によって地道な研究が進められており、核融合によって発生したと考えられる余剰熱や核変換現象が確認されているとも言われています。

もっとも現代の物理学ではきちんと説明できない事もあり、大勢からは似非科学扱いされているのですが、今回米海軍研究所が行った追試の結果はこういった研究者達が報告している
「検出される中性子の量は一般の核融合で予想される量より7桁以上少ない」という話を検証し肯定的な証拠を得たという事のようです。

ただ…本当に常温核融合が起こっていたとしても、余剰熱の発生が再現性60%で核変換の発生が再現性100%という話なんでエネルギーとして使うにせよ、核変換で発生した元素を採取するにせよ、工業的に利用できるかはどうも怪しいもんです。

2009年3月25日水曜日

年増の厚化粧

 先週、久しぶりにオブイェクトへ行ったらばボーイング社が発表したイーグルの新型「サイレントイーグルたん」についてのスクープが紹介されてました。

…イーグルにステルス性を付加した改良型って
間違いない、自衛隊に売りつける気満々だ!

問題の記事でサイレントイーグルの件がおまけ扱いでしかなかったりするのは全然誤差の範囲内です。
ええ、当然ですとも。

で、前後してキヨさんysaki氏ジャック天野氏などがこの話題を取り上げております。

 テクノバーンで紹介されてる写真を見た感じでは、レーダー波が到来すると想定される方角に対して垂直に切り立っている胴体側面と垂直尾翼に角度を入れることでRCSを低減したような改装が為されている事が見て取れます。
でもって、胴体横に増設されたコンフォーマルタンク(テクノバーンでは「コンフォーマルタンク型のウェポンベイ」となってますが。)の下面と側面にミサイルを納めることで、合計四基のミサイルを胴内にしまい込んだ状態にする事ができるみたいです。

って、記事の題名が「ストライク・イーグルのナゾ」ってコラー!
誤訳ってレベルじゃねーぞ。

 それは置いといて…
肝心のステルス性ですが、ぶっちゃけ「垂直な角を排除しただけ」なんで、まあミサイルを搭載してない状態のホーネットとどっこいじゃないかと小官は考えます。

そうなると次期F−X候補としてはどうも弱過ぎるような気がします。
そもそもイーグル自体かなり古い機種ですんで、せめて十年前ならいざ知らず、今更こんなのを出されてもやっぱり「年増の厚化粧」というのが妥当な評価かと。

 ステルスの本家筋であるアメリカまでもがこのレベルでステルス機を名乗るのを見てると、どうしても某所で見かけたコピペを思い出してしまいますので、今回はそれをオチにしたいと思います。

F-15 SEの事か ああ知ってる
…知ってるか?ステルス機には三通りのタイプがある。
「多少RCSが小さいだけ」
「RCS優先で他がおざなりになっている」
「高いレベルで両立に成功している」
この三つだ。
あいつは…

2009年3月18日水曜日

太平洋を渡ったムトウハップ

昨年度、我が国では硫化水素自殺というものが流行って大変でした。

 具体的に何が大変かと言うと、巻き添え被害です。
例えば自動車や浴室のドアに「危険!有毒ガス発生中」なんて張り紙を発見し、慌てて戸をこじ開けると例によってリーサルな濃度のガスが流れ出してきて「あうあうあー」となるわけです。

ちょいと調べたところによると、けっこう日常的な物質であるにもかかわらず、青酸と同等の毒性があるとか。

一般的には硫化水素が0.2%以上含まれた空気を吸えば確実に死ねると言われているようですが、
200〜300ppmで目や気道を激しく刺激、
500〜700ppmでは30〜60分後に意識喪失や呼吸停止
1000ppm以上だと数呼吸で昏倒との事。

1000ppmは0.1%ですので、レオのユニットバスで派遣切りされた人が0.2%の硫化水素を発生させて死に、軽率な第一発見者が浴室の戸を開けてそのガスを拡散させたと仮定した場合、キッチン周辺まで拡散すると500ppm強、寝室まで拡散してもまだ200ppmくらいはあるという勘定になります。

…あらためて説明するまでもありませんが、第一発見者は確実に1000ppm以上のガスを吸い込むハメになりますので、NBC防護服でも着ていない限りほぼ確実に残念な事になります。

しかも硫化水素は激しく臭いのです。
普段通り生活していて、いきなり刺激的な香りが漂ってくる。
で、「下水工事か?」とか思っていたら近所でマヌケが毒ガス自殺を図ったとの情報が入ってくる次第ですから、そりゃパニックテロ呼ばわりされても仕方ないわけです。

こういった硫化水素の特性と、2ちゃん等で
「ムトウ8ップとサソポールを混ぜれば楽に死ねまちゅよ」
とか書くアホたれのせいでかなり大きな問題になったものでした。

次いでに言うと、「楽に死ねる」などというのも実は大嘘で、部屋の気密が悪かったり、ガスの量を間違えたりで濃度が低かった場合
”200〜300ppmで目や気道を激しく刺激”つまり
「ゲホゲホ、ぬおお…目が…目がああ…」となるわけです。

そんな迷惑極まりない硫化水素自殺ですが、こないだワイアードを読んだところ、なんと昨年の半ばにもう米国に上陸しており、救急隊員たちに対して「巻き添え注意」の警告が発せられているとの事です。

んな悪い事までマネしなくても良さそうなものなのに…

2009年3月11日水曜日

地味なところで着々と21世紀になっている件について

件の特攻ロケットの開発チームがロケットエンヂンの燃焼試験に成功したようですね…
一応初号機は無人で撃ち上げるそうですが。

さてと、21世紀に入る少し前あたりからですかね…
太陽系の外にもぼちぼち惑星が見つかるようになっていましたが、こないだワイアードを見たらいつのまにか有名どころ、ハードSF等でもおなじみのエリダヌス座ε星にまで惑星が発見されていたのです。

というか、こっち数年の間に三百以上も見つかってるんだ…

ただし、この恒星系は非常に若いため地球そっくりの惑星が存在しても生命が誕生している可能性は非常に低いんだとか。
加えるにエリダヌス座ε星を巡る惑星がエキセントリックプラネットと呼ばれる「楕円軌道を巡る巨大ガス惑星」である点も問題です。

ウィキペディアの記事に言及があるジャンピング・ジュピターモデルだと、なんでも巨大ガス惑星が三つ以上存在する恒星系ではこれらの惑星が相互にやり取りする運動エネルギーが特定の惑星に集中してしまい、こいつが恒星系外へぶっ飛ばされると同時に残った惑星もすごく楕円形の軌道になってしまうんだとか。

まあ、ワイアードの記事にある図表を見た感じではこれら三つの惑星はけっこう離れてるので、すぐにそうそう面白い事になるとも思えませんが、三つの巨大ガス惑星に歪んだ軌道…

不安だ、ものすごく不安だ。

…仮に数百年先の将来にこの惑星系にスペースコロニーでも作るとしたら、このあたりは充分考慮しておかないとあとで非常に恐ろしい事になりそうな気がします。

あわせてこの記事なんかも読むと某NHKアニメじみた妄想も膨らむってもんですが、まあ大概にしておきましょう。

2009年3月6日金曜日

キヨタニ氏が珍しく?正しい事を言ってる件について

 軍事ジャーナリストのキヨタニさんと言えば、度々ぶっ飛んだ事を言うので知られております。
ついこのあいだも日本が「核開発するかもよ」と言えばそれを強力なブラフとして利用できると神をも恐れぬ発言をしました。

ゆえに小官もネタに困った時は彼のブログを覗かせて貰っているわけなんですが、まあ極端過ぎて現実離れした人ですよね。

しかし、今週彼がエントリした記事はこのようなものであったのです。

高校生エッセイコンテスト入賞作品紹介 外務大臣賞ヨヘナ(文字化けするので漢字が使えません)玲美

何だ何だ、沖縄の話か?
と思って見たところ、高校生が外国の留学先でフィリピン人に日本人の悪口を言われたので憤慨して先生にメールしたら、上の世代の過ちに対して下の世代の人達が責任を取るのは当然だと言われて反省させられたという内容の作文が入賞していたからケシカラン!
…という話でした。

ううむ、正しい事を言っている。
まあさすがに
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 ハッキリ言えばこの人物は黄色い日本人に対して恫喝はできるが「白人の旦那様」には嫌味の一つもいえないわけです。植民地根性丸出しの卑屈な人種差別主義者です。
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…ってないくらなんでも2ちゃんねらー並みの言い方はどうかと思いますが、たしかに「犯罪者の子は犯罪者」的な認識は明らかに前近代的過ぎです。

 しかもキヨタニ氏が取り上げているMSN産経の記事を読むと判りますが、問題のフィリピン人はフィリピン国内ではなく、ベルギーで出会った日本人に悪口を言っているのです。
で、ヨヘナさんはと言うと、少し理不尽さを感じたものの、その件については彼に何も言い返す事無くできるだけコミュニケーションを取るようにして「親友になりました」との事。
お互いに本音をぶつけない「コミュニケーション」に、悪口を言われてもその非礼を諌めないという間柄の「親友」…

 そして、彼女に助言をした高校教諭と言うのがまた中国へ日本語を教えに行っていた時、日本人だと言うだけの理由で度々罵声を浴びせられたとの事。
その結果得た認識が
「あのね、子供がしたことに対して親が責任を取るというのは当然でしょ。それと全く逆の事を考えればいいのよ。歴史的な問題の場合、上の世代の過ちに対して、下の世代の人達が責任を取らなくちゃいけないの」
ううむ、あまり勝手を知らない大和撫子が愛国無罪な中国人に恫喝されて人間としての尊厳を放棄させられ、屈折していった様子が手に取るように追体験できる…

こんな話が外務大臣激励賞…
偏見に基づいて初対面の相手に罵声を浴びせるような人物に本音をぶつける事も無く「おともだちになりました」という話が。

小官が思うに、あのフィリピン人の男の子はおそらく今後も日本人に会う度「お前達は世界一残酷な民族」と言い続けるでありましょう。
あたかもそれが「良い日本人と悪い日本人を選り分ける儀式」であるかのように…
これはキヨタニ氏でなくても「悪い冗談のようだ」と思うわけです。

まだ若いヨヘナさんには、今後の人生で勉強して右なり左なり自分の思想を身に付けてもらえばいいとしても、偏向された歴史認識を元に恫喝してきた相手に屈服させられ、しかもそれが常識としてまかり通っているという話に外務大臣賞とは…

2009年3月4日水曜日

特攻!バクダン野郎

 みんすのおじゃわさんが大変な事になりましたね、多分軍板の人達が大喜びしますよ。

さて、こないだテクノバーンにこんなネタが出てました。

搭乗カプセルの概略を見て即座に、「あかん、人命軽視過ぎる…」と思わされるデザインです。
ううむ、発射時のGで首の骨を折りそうだ。

この特攻兵器…もとい宇宙観光ロケットを開発中のコペンハーゲン・サブオービタルズでは現在このマシンに乗り組んで敵の弾道ミサイルに体当たり…じゃなかった、宇宙飛行士になってくれるボランティアの方を募集しているとの事。

…ちゃんと遺族年金出るんでしょうね?

まあ、元ネタを見てきた人の日記によると加速度は3G弱で搭乗員はGスーツ着用、首と頭は固定されているので問題ないという事らしいですが…

コペンハーゲン・サブオービタルズが公開してる問題のホームページを見た日には、「ごめん無理」

3Dモデルは中々の出来ですが、写真は明らかにどっかのガレージっぽいところで部品を組み立ててます。

よく言って「なつのロケット」言葉を選ばなければ
「大戦末期の香り」ってやつです。

そりゃ、CAMUIロケットだって似たようなものかも知れませんが、あれは人を乗せる事は想定してません。

…せめて人間を乗せる前にダミー人形とか乗せて安全性を立証して貰わないと、これは誰も乗らないと思います。