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2008年4月30日水曜日

外国のステルス機に対する中国の見解

聖火が長野入りした時、件の「国境無き記者団」が
「もちろん平和的に抗議します!」
とか言ってたので、活動家の方がトーチを奪取するなど、変な事件が起こってまた中国が何か言ってくるようなややこしい事になったら困るなと思っていましたが、とりあえず中国の方から日本と韓国では聖火リレーが成功したと発表したようなので、よかったよかったです。

…六人「も」捕まってるんですけどねぇ。
まあ、日本以外の国じゃ六人「しか」捕まらなかったって事なんでしょうか。

さて、「航空ファン」の六月号を読んだらけっこう面白いニュースが載ってたんでちょいとばかり紹介しようかと思います。
表紙にF−16のおなかが写ってるやつです。

まず最初に128ページの防衛省・在日米軍のコーナー。
たしか去年の今頃小官も
「ラプたん売ってもらえないなら、ライトニング2でもよくね?」
というような記事を書いた覚えがあるのですが…
今年の三月末にようやく空幕が
「ライトニング2どうよ?」
ってやってたみたいです。
なんでも、今までは開発中の機体なのでF-Xには間に合わないだろうと言われていたが、F-Xの調達時期を送らせてでもライトニング2を調達する可能性が出てきたんだそうで。

次が最新・中国航空・軍事トピックスのコーナーで、135ページにある「国外ステルス機への関心」というトピックです。
ソースは「航空知識」08年度4期の特別報道
「ステルス時代の戦闘機」
なんでもこの特集号は「もはやステルス機は米ロ両国だけではない」として、アジアの翼という章を設けて日本と韓国のステルス機開発に触れているそうです。
で、韓国に関してはエンヂンの自主開発能力に疑問がありコンセプトにも独創性が無いと切り、
(たしか何ヶ月か前のテクノバーンの報道で韓国は自主開発を諦めてライトニング2の共同開発に注力するという話があったと思うが。)インドやトルコについては更に評価が低い一方、我が国の心神計画に関しては非常に仔細な分析が行われているんだそうです。
…なんでも日本はカーボン材とRAMの技術に長けており、ヴェクタードスラストパドルを三枚つける研究は米独で既に検証済みという事から早ければ2017〜8年にF3ステルス戦闘機が登場する可能性があるとやってます。

こらこら、買いかぶるんじゃない。
ロードマップじゃ実証機が08〜13年後半…んな数年でホイホイ作れますかいなって。
XF5-1じゃどう転んでも推力が不足してるし、防衛省の予算の少なさをナメるなと何度言えば…

なんかね、中国も中国で日本の事がばけもんに見えとるようで…

2008年4月23日水曜日

だーれが殺した・・・

 一般に広く浸透しているステレオタイプとして、日本人は空気を読むのが上手というのがありますが、最近はなんか違うみたいです。
周囲全部が「北京まんせー!」ってなってる時にんな事するなんて。
そりゃまあ、よってたかってフルボッコしようとするなんてさすがに予測できなかったかも知れませんが、明らかに空気読めてません。

さて、今日は長い事放ったらかしてた「超不都合な科学的真実」をネタに電波解析コントをやるよ同志。

同志って…艦長、先週あたりから何か変ですよ。
一昨日なんか「ラトビアあああ!」って叫んで大笑いしてたし。
また変な漫画にでもハマったんですか?

コルコルコルコルコルコルコルコル…

やめなさいって。
艦長のいかつい顔でやられると本当に不安になってくるんですから…

どさくさに紛れて大概な事言うな、うちの先任士官は。

さてと、今日は第六章の「誰が電気自動車を殺したのか」ですね。

あっさり切っちゃったよ、ハンスのくせに。
ええとですね、本章の内容はかいつまんで言えば
「石油業界が電気自動車を潰したぞっ!」て陰謀論です。
ってか、だいたいこの本は陰謀論の塊みたいなもんです。
こんなもん真に受けるくらいなら「なんとかプロトコル」ってウソ本信じてた方が二十倍マシってもんです。
以上。おしまい!
来週もまた見て下さいね〜。

コルコルコルコル…

あぁ?効かんなぁ。
って、…判った判った。
もう判ったからそのバールのようなものはしまってね。

この章の前半部は現在あらゆるメーカーで開発中の電気自動車がいずれも自動車としての高い性能を発揮し、GM社では実用化へ向けた取り組みまで進んでいたにも関わらず、政界の介入によって計画が頓挫したという話が出てきます。

そうそうそうそう。

なんでも、GMの場合は「EV1」というスポーツカータイプの電気自動車を96年から99年まで生産したが、カリフォルニア州がZEV規制を緩和したために、結局ダメになってしまったんだそうです。

そうそうそうそう。

ところが、この辺の記事なんかも読んだところ、いわゆるZEVはまだまだ開発途上の段階で、問題の電気自動車もコストが高いという問題が最大の懸案として立ちはだかっていたそうなんです。
この辺を考えると、カリフォルニア州がZEV規制を緩和したのは結局このままではハイブリッド車はおろか電気自動車の普及も進まないと考えた結果であり、EV1が潰れたのは早い話がこの規制緩和によって低公害車の市場をハイブリッドに喰われる形になったためだと考えた方が良さそうです。
事実、この時期にプリウスが「極めて完成度の高いハイブリッド車」として欧米市場で高い評価を受け、飛ぶように売れてた事実を見落とすわけにはいかないでしょう。

左様。だがこの本にはその点についての言及が無い。
あまつさえ、
「もし、大手自動車メーカーが販売すれば、現在の軽自動車と同等クラスの走行性能・快適性を備えた電気自動車が、大量生産により100万円以下で販売可能になるだろう」
なんて言っちゃってる。
そもそも電池自体が、現時点ではまだ少々重たくて値段も高いという問題があるのにね。
まったく、ちゃんとした情報を集めずに書いてるとしか思えない。

そして、章の後半からは圧縮空気エンジン車と水を燃料にする車の話が出て来ます。
(何なの、この喰い付き方のタイミングは。)

圧縮空気エンジン車というとコレだな。
300気圧の圧縮空気を使って300キロ走るという事は車内に相応の容積と圧力のタンクを搭載しているという事だが…きちんとメンテしてタンクの寿命とか管理しておかないと、えらい事が起こりそうな気もするのだがな。

ジョーズをやっつけた空気ボンベですね。

…車両火災どころか一瞬で死ぬるわな。
ボンベならうちの艦内にもゴロゴロしてるから、どっかのバカがここで銃撃戦とかおっ始めたら、フネごとあの世行きってわけだ。
まあ、スクーバダイビングのボンベだって大体それくらいの圧力の空気が入っているんで、よっぽどの事をしない限りそこまで極端な事にはならないだろうとも思うがね。
ちなみに、一般的な炭酸飲料のペットボトルは大体4気圧程度の内圧に耐えるように作られているそうだ。

水エンジンとやらに関しては…もう言うまでも無いですよね。

ああ、何かの映画にそういう車が出てきたが、水を燃料にするとか言うやつは大抵…いや全部香具師だよ、大昔からあるネタだ。
ただし、最後に追加すると、電気自動車の普及は時代の必然だろう。
しかし、ここで「帆船効果」というものが起こるので、既存の自動車を性能のみならずコストの面でも「完全に追い抜くまで」はまだそんなには普及しないだろうね。

今回はオチ無しですね。

コルコルコルコルコルコルコルコル…

あっ、…はい。失礼致しました!

2008年4月16日水曜日

チベット問題に対する意外な方面からの批判

 読者の方は覚えておいででしょうか?
二月程前にわがブログにて昆虫反重力をネタにコントをやった事を。
その時小官は先任士官に
「仕方ないだろう、放っておくとダマされるやつが増えるんだから。誰とは言わないが、「昆虫反重力」でググると、実際にダマされている人のブログがわんさか採れるぞ?」
と言いました。
…事実、その時点で検索をかけると、M研のページに続いてUFOビリーバーのブログがずらずらと並ぶってな状況だったわけなんですが、こないだふと思い当たって再び「昆虫反重力」をぐぐってみたところ、ものの見事にうちの記事が1ページ目にヒット!
これはうちでマイナーなネタを扱った時に往々にして起こりがちな現象で「マイクロニューク」の一件の時と同じものです。
で、例によってがっくりくるわけですが。

 しかしながら今回取り上げるのは、これもまたマイナーではありますが、「おっ?」と思うような興味深い話であります。
小官が某所の掲示板にて最初にその話に触れたときは反射的に
「まじっすか!?」と思ってしまいました。
というのも、なんと中核派がチベット問題の件に関して中国政府を手厳しく批判したというのです。
 中核派と言えば「日本もコムソ国になぁーれ♡」な人達の中でも未だに角材とモトロフを行動選択肢から外していない特に極端な人達の事です。
そんな人達が、拝金主義に堕したとはいえ、一応同じ陣営に属する者である筈の中共を批判するというのは、ちょっと想像しにくい話です。

 で、その掲示板で提示されていたソースを調査してみたわけですが、
問題の記事は週刊『前進』の2337号3面3で
日付は今年の三月三十一日のものですね。
「中国人民の総反乱の突破口」という題名で、4月16日現在の時点ではソースとして提示されているページの上から四割ほどの位置にあります。
記事の頭の部分を抜粋すると、
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●チベット人民への虐殺弾劾!
 3月10日のラサでのデモに始まったチベット人民の闘いは、瞬く間に激化・拡大し、中国スターリン主義の支配を根底から揺るがす大闘争となった。武装警察や軍隊の出動による残虐な弾圧は人民の怒りの火に油を注いだ。暴動はラサからチベット自治区全体へ、さらに隣接する甘粛省、四川省、青海省などへと次々に拡大。チベットの独立を求める文字どおりの全民族的な蜂起へと発展した。
 これに対して中国スターリン主義が加えた凶暴きわまりない武力弾圧と虐殺は、断じて許すことができない。中国政府当局は、ラサでの僧侶のデモ発生を聞くや直ちにこれを警察によって暴力的に解散させた。そしてこれへの抗議と怒りが暴動となって爆発すると、軍と警察が全市を封鎖して戒厳体制を敷き、抵抗する者に即座に発砲し射殺した。さらにチベット人の外出を一切禁止した上で、その住居をしらみつぶしに捜索し、当局への恭順の意を示さない者は片端から連行し拘束した。
 同様の封鎖と弾圧は甘粛省や四川省でも大規模に繰り返された。この過程で虐殺された者は少なく見積もっても140人以上、負傷者は数百人と言われている。
 中国政府は、事態の本質が中国スターリン主義政権の過酷な民族抑圧に対するチベット人民の蜂起であることを隠すために、暴動は国外の「ダライ・ラマ一派」による「計画的な犯行」「北京五輪の破壊を狙ったもの」などとキャンペーンしている。また内外の報道機関に異様なまでの報道管制を敷き、血塗られた弾圧の実態を覆い隠すことに必死になっている。だがそれは怒りをさらにかきたてるものでしかない。24日には四川省で再び大規模な激突が起きた。闘いの火は今や、ますます深く燃え広がろうとしているのだ。
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といった感じで、この件に関する中核派の言い分としては
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 今や、チベットの決起が、新疆ウイグル自治区を始め中国スターリン主義の民族抑圧に苦しむ諸民族の新たな決起を呼び起こすことは不可避である。さらに、それ以上に一層重大なことは、この闘いが、すでに中国全土にわたって始まっている労働者や農民の大反乱と結びつくことだ。
 中国国内での労働争議は年々急増し、昨年には40万6千件に達した。開発で土地を追われた農民による暴動も続発し、かつますます大規模化している。世界金融大恐慌への突入は労働者・農民の困窮を一層激化させ、中国大陸を再び一大騒乱状態にたたき込むのは間違いない。3月5日から2週間にわたって開催された全人代(全国人民代表大会)では、この危機をどうのりきるかが最大テーマとなった。チベット人民の大決起はこれをまさに直撃したのである。
 米帝や日帝を始めとする国際帝国主義は、中国国内への帝国主義的介入と侵略を強める手段としてチベット問題を利用するが、中国人民自身の手による中国スターリン主義支配体制の打倒を実はまったく望んでいない。それは、プロレタリア世界革命への道を開き、帝国主義の世界支配の打倒に直結するからだ。だからこそ米帝は、中国政府と連動して「事態の鎮静化」に必死になっている。
 反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命こそ、全世界の労働者階級と農民、被抑圧民族の唯一の解放の道だ。闘うチベット人民と連帯し、この道を断固として突き進もう。
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 ってな感じです。
うーん、…いかにも中核なノリですが
なるほど、たしかに中共を批判しています。
まあ、「資本主義圏も共産主義圏も敵だ。」という論調には、
「あーあ。」としか言いようが無いわけなんですけど、
まあ要するに「中核は活動家の味方です!」
と、こういう理屈から今回白色テロに走った中国政府のやり方を批判しているってわけなのでしょう。

とはいえ、活動家の味方だから正しいとも思えませんがね。
事実、シーシェパードのような連中もいるし、今回聖火リレーを妨害している「国境無き記者団」のやり方も明らかにやり過ぎでしょうから。

ただし、従来のような右翼左翼というステレオタイプな捉え方が通用しない時代になってきている事は確かなようです。

2008年4月9日水曜日

ハガレンちっくな実話の話

科学と倫理の問題は、最近よく取り上げられるようになったトピックですが、今度はイギリスの大学が人間と牛のハイブリッド胚を作ったのだそうです。

 をいをい、さすがにこれはまずいだらう。
…なーんて言っていたら、ワイアードにはもっとどえらいネタが載っておりました。

 うわあ…
最近よく聞く「プラセンタ」ってそういうブツだったんですね!
ちなみに、自分で検索掛けてみたところ、こんな感じのページが出てまいりました。

 そりゃまあ小官とて豚肉を食べないわけではないですし、成長因子だけを純粋に抽出できるという事ですが、…ねえ。
血止めで肝炎に感染した話や、こないだやったヘル・ヴォルフの話もあることですし、やはりこういった話にはちょっと抵抗を感じてしまいます。

例によってなにか命に関わるような副作用があって、十年二十年後に大問題になったなんて事じゃないといいんですがね…

2008年4月2日水曜日

神様アメリカ様

 去る日曜日、3月30日はどっかの商売の神様の100歳の誕生日だったみたいですね。
まあ、神様のことですから100歳でやっと一人前。
成人式ならぬ「成神式」ってとこでしょう。
ただ、小官も数年前猊下に拝謁した事があるのですが、あの痛々しいまでの足の裏の凹みよう…
「ご利益は結構ですから、早く医者
 (要するに宮大工の事)にかかって下さい!」
と思ってしまいました。

 さて、神様と言えば小官は先週

「三菱とサーブが提携したよ。わあい、これでMRJも安泰だねっ!」

と、やったばかりなのですが、どうもオブイェクト筋によると言う事全てあべこべに実現してしまうために、T−72神教徒から「逆神」として絶大な支持を受けているジャーナリスト神浦氏の託宣によりMRJには死亡フラグが立ったらしいのです。

死亡です
そう死亡です
死亡です(泣)

 なんか暗くなったので話題を変えましょう、今回はこめ国の超絶軍事技術について少々語ります。
けっこう古めのニュースなので既に取り上げているブログもあるようですが、シアトル近くの高速道路でFBIが核兵器と間違えて猫を摘発するという珍事が起こっておったようです。
本記事の中にある放射線測定器の現物については、確定的な情報が無いためにはっきりした事は言えませんが、学術分野で放射性物質の分析に使われるものであれば、半導体を利用して放射線のエネルギーから核種を推定できるというものが存在しています。
これは広く普及した信頼性の高い技術であり、例えば小官の地元でもとあるマスコミの人が琉球大学にイラクかどっかで拾って来た試料を分析してもらい、天然ウランと比較して明らかにU235の割合が低い事から「劣化ウランが使われた」と判定した事例があります。

 そして、同じテクノバーンにはUAV用合成開口レーダーの記事も出ております。
無人機が合成開口レーダー積むなんて…
似たような話でアメリカ様の合成開口レーダーと言えば、
「航空ファン」の5月号124ページにも合成開口レーダーの記事で
F−16用にグラマン社がSABRレーダーというものを発表したという記事がありましたので、これについてちょいちょいと調べてみましたところ、F−16のレーダーはどうやらブロック52あたりから採用されたAPG-68から合成開口化されておるようです。
そんで、Kojii.netから拾って来た
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米 Northrop Grumman 社は Singapore Air Show に、過去の経験を活かして自己資金で開発した AESA (Active Electronically Scanned Array) レーダー、SABR (Scalable Agile Beam Radar) を出展した。既存の F-16 にレトロフィットする目的で開発したものだが、他の機体や任務領域にも応用可能としている。F-16 に SABR を装備する際に、機体側の電気的・機械的インターフェイスをいじる必要はなく、既存の電源・冷却機能で対応できるとのこと。AESA 化により、状況認識能力の改善、高解像度 SAR (Synthetic Aperture Radar) の実現、インターリーブによる対空・対地捜索の実現といった利点が得られるとしている。2008 年の末に、Northrop Grumman 社が保有する Sabreliner を使ったデモンストレーションも予定している由。この機体には F-16 用のアビオニクスを一式搭載してあり、過去に F-16 用レーダーの試験に使っていた。(Northrop Grumman)
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この記事の内容と航空ファンの記事にあったSABRレーダーはF−35用のAPG-81の技術を応用したものだという話を合わせてみると、どうやらSABRレーダーとは、ライトニング2用のレーダーと同じ機能を持ったものをF-16に搭載できるようにしたやつみたいです。

 ミリヲタの目は往々にしてラプたんやらライトニング2やらといった華やかなスターに向かいがちですが、この子達がコスト高や開発遅延やらであまりうまくいってないという話の影で、実はどうして在来機やUAVといった脇役陣も着々と先端技術を取り入れてばけもん化しているというのがこの国の本当に恐ろしいところであります。