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2008年12月10日水曜日

ネサン氏再び?

 前の日曜日、ジキルハイドで鳥インフルエンザスペシャルがやってましたね。

 本来ならばモラー氏の空飛ぶ自動車の件もあるのですが、そういうわけで今回はタイムリーにインフルエンザ関連のニュースを取り上げたいと思います。

なんでも、この度イギリスの医者が全てのインフルエンザに半永久的に効く予防接種を発明したというのです。
ハテ、前にも似たような話をうちで扱ったような…?

 そこで記事の内容を読んでみたところ、今回発明されたワクチンは従来のモノがウイルス表面のタンパク質を標的としていたのに対し、ウイルス内部のタンパク質を標的とする事でこの驚異的な効果を実現したのだそうです。

ただ、翻訳者の限界か本文記事では少々不明瞭な部分があったので、補足説明をしたいと思います。
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これまでのインフルエンザの予防接種は、ウイルスの外側にあるHとNたんぱく質の免疫反応を促す作りになっているそうです。

わかりやすく言うと、ウイルス細胞の外側にあるたんぱく質を、免疫細胞に攻撃させるという理屈です。

しかしこれらのたんぱく質は変異が起きやすく、そのために毎年新しいウイルスに合わせて新しいワクチンを作り出さす必要がありました。

ところがこの新しいワクチンは、接種されると体内にあるT細胞を寄せ付けてから増殖させ、そのT細胞がウイルス細胞の内側にあるたんぱく質を見つけ出し攻撃するというものです。

そしてインフルエンザのウイルスごと破壊してしまうそうです。
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インフルエンザのHとNたんぱくってのは、「ウイルス粒子の」表面にあるもんです、基本的にはね。
一方、新種のワクチンについての説明では、T細胞がウイルス細胞の内部のたんぱく質を見つけ出して「ウイルスごと」破壊するという表現が使われています。
つまり、この記事の中ではどうも「ウイルス粒子」と「感染細胞」が混同されているようなのです。

一口に「T細胞」と言っても何種類かございまして、ヘルパーT細胞がB細胞に働きかけて抗体の生産を促すのに対し、キラーT細胞は自ら現場へ出向いてウイルスに感染したりガンになったりした細胞をぶっ殺します。

従来型のワクチンはヘルパーTの方に働きかけて、抗体の生産を促す仕組みですが、この記事の表現や、HIVや癌にも応用できるのではないかという話から察するに、こちらの新型ワクチンはキラーT細胞に働きかけるというものであるようです。

まあ、必ずしも万能というわけにもいかないでしょうが、基本的には従来型ワクチンのアプローチを少々変えただけの話であり、けっこう有望そうではあります。

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