このブログを検索

2012年12月19日水曜日

悲惨陰惨韓国の宇宙開発物語

 先週、北朝鮮が人口衛星の打ち上げに成功したとのことで、今回は必然的に南朝鮮の宇宙開発について言及しようと思います。
…と言っても基本ウィキから引用した情報に注釈を加えるだけですが。

 韓国は当初…と言ってもわりと最近の90年代の話ですがKSR-1という観測ロケットを保有しており、これは150キログラムほどの観測機を搭載して高度75キロメートルまで上昇する能力があったようです。
糸川博士らのペンシルロケットの後継機であるベビーロケットが、使用可能な燃料のサイズから能力が制限され、ベビーロケットならぬホビーロケット並みにせいぜい6キロメートル程度の高度にしか到達しなかったことを考えると、時代的に40年後とはいえかなり恵まれたスタートを切ったと言えるでしょう。
ここで韓国のロケットと日本の昔のそれを比較すると、こいつの後継機であるKSR-2はスペック的にカッパ8型ロケットに相当するレベルの二段式固体ロケットに仕上がっております。

参考までに申し上げておきますと、全長はKSR-2の11.04メートルに対してカッパ8は10.90メートル
直径は両者とも0.42メートル
そして両方とも高度160キロメートル程度まで上昇する能力があります。

 さて、日本ではこの後カッパロケットの後継機としてより大型のラムダロケットを開発・改良し、高度2000メートルに到達できる能力を獲得したところで第四段ロケットを追加するという形で四度の失敗を経て1970年2月にようやく初の人工衛星打ち上げに成功しました
…このへんの何度失敗しても懲りずにロケットを打ち上げ続け、軌道投入まで持って行った経緯はどちらかと言うと北朝鮮のそれに似ていますね。

ちなみにこのロケットは全長16.5メートルで重量は9.4トン。
低軌道への投入能力は衛星に固定された第四段ロケットを除くとおおよそ10キログラム程度というおっそろしく小規模な代物です。
ウィキペディアの画像見ると判りますが、素人目にはTELに乗せられて起立したスカッドミサイルそっくりなので、誘導装置を追加するなど今風に改装すれば流行の超小型衛星を任意の軌道に乗せるための手段として一定の需要が得られそうです。

 本題に戻りますと21世紀を目前にした98年の9月、金大中政権が長距離宇宙ロケットがどうのこうのと言いだして100億ウォンほど予算を付けたため、これに応じて韓国航空宇宙研究院は原始的な液体ロケットKSR-3の開発に着手します。

ところが、三年後の2001年に韓国がミサイル技術管理レジームというのに参加したことを契機に外国からの技術導入へ方針転換。
結局KSR-3は780億ウォンの開発・製作費を投入しながら一回こっきりの打ち上げで終わってしまいます。

 では、外国から買うので開発がスムーズに進むかと言うとこれがまた難航。
ウィキペディアの記述を見る限りでは技術込みの価格ではあまりにも高価過ぎると駄々をこねた韓国が最終的にロシヤと契約して開発することになったのがKSLV-1こと羅老号のようですが、この過程でロシアもやっぱり技術流出を警戒してロケットの心臓部である第一段エンヂンは韓国に見せないという条件になったようです。

…とは言っても、問題のロシヤ製RD-151エンヂンですが、こいつの原型になったRD-170エンヂンというのは燃焼室へ燃料と酸化剤を送り込むために予備燃焼室で摂氏400度、圧力250気圧という高温・超高圧の燃焼ガスを発生させてこれをタービンに当ててびゅんびゅんぶん廻すというキチガイじみた代物なので、同じ二段燃焼サイクルのLE-7Aを製造している三菱とIHIが現物と設計図を与えられてハイ作りなさいと言われても高い確率で
「今少しの時間と予算を頂ければモゴモゴ…」
とかなるハズです。

そげな代物をああた、パクっちゃえば自分のものになるなんて思える時点でちょっと頭冷やそうか、っていうかむしろそうそう簡単にパクれたら逆にすごいわって話なんですが、ウィキを読む限りではそれでも何とかして盗みたいのか韓国側の技術者が第一段ロケットの写真を撮ったり中を覗こうとしたりしてロシア側の警備員と何度も喧嘩を起こしてるそうなのです。
…マジ頭冷やせ。

かような事情から、このタイプのロケットは仮にうまくいっても今回打ち上げを延期した三号機で打ち止め、後継のKSLV-2ではウクライナから買った設計図を基に自主開発したロケットエンヂンで宇宙を目指すよというお話になったという事らしいです。

 以上のようなわけで、小官としてはだから最初っからKSR系列の固体ロケットを正常進化させてまず"衛星を軌道に投入できる"ところから始めろよなという次第なのですが…

ウィキに上がっているKSLV-2の推定データを見ると、これまた問題の自主開発エンヂンを第一段には四つクラスタ化して搭載し、第二段には単発で乗せるというものすごく大雑把な構造だったり、計画通りに進んでも打ち上げは2021年だったりと、この時点でものすごくダメダメ臭がするわけで、まあなんと言うか、ものすごーく棒読みで
「KSLV-2は成功するといいですね」
としか申し上げようがないわけです。

0 件のコメント: