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2013年9月4日水曜日

大義なき戦争

 ハト派であるはずのオバマ大統領が皮肉にもシリア攻撃に踏み切るかもしれないという情勢になっておるようです。

・・・結論から申し上げると、あたしゃアレには賛成できません。
何故ならアメリカは勿論、誰にもにメリットが無いから。

大量破壊兵器を使用することを躊躇しない国を容赦なく潰すというのは地域の安定のためには、たしかに必要かもしれません。
しかし、あのブッシュの時だって9.11の直後でヤらなきゃヤられるという狂乱状態の中で結局アレ。

しかも今回は別にアサド政権にアメリカ人が頃されたわけでもなきゃ、アメリカの支援が無いと革命派がアサド政権を倒せないというわけでもない。

 まあ、ああやって政権交代にいちいち暴力が付きまとうような国に好き好んで介入していく時点でものすごい地雷臭がするわけですが、そうでなくても放っておけば地元の人間が勝手に独裁者をとっ捕まえて街灯に吊るす事が内定している段階まで進行した時点で手柄の分け前をよこせとでも言わんばかりに軍隊を送り込めば、下手をすると革命派は今度はアメリカを敵視するようになってしまうかもしれない。
ぶっちゃけ、銀河英雄伝説で言う所のフォーク准将立案による帝国領逆侵攻作戦に近い臭いがよその国でニュースを聞いてるだけでも漂ってくるお粗末すぎるウォープランなのです。

 噛み砕いて説明すれば戦う理由ばかりでなく、どこまで戦えば作戦の目標が達成されたと見做すのかという点すらあやふやなまんまで、無辜の民衆に向けて大量破壊兵器が使用されるのを許してはいけないという、言ってしまえばイデオロギーだけ暴走した状態でシリアを攻撃するかもしれないという話になってしまっているという非常に危うい状況。

・・・これが、革命派から支援の要請を受けてアサド政権がサリンを積んでるとおぼしき弾薬庫をピンポイント攻撃で潰すとかならまだ話は判るんですが、どうもそういう声が聞こえてこない。
そりゃ、相手がシリアなら国力差から何をしても勝てるでしょうが、じゃあ勝った後で何をするのという肝心な部分が完全に抜け落ちている。

ノーベル平和賞を取るような大統領なら、ここは死に体の独裁者の最後っ屁にいちいち反応して空母を動かすのではなく、独裁者が死んだあと当然予想されるかの国の混乱に備えて救援物資を積んだ多国籍軍を投入するべく各国と調整を始めるべき場面なんじゃないのかと思いますがねぇ。

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