このブログを検索

2013年10月9日水曜日

モンゴルルート・・・だな。

 エリジウム観てまいりましたよ。
なんつーかありきたりなストーリーでオブリビオンの方がまだ面白かったような気がしましたね。
個人的には、あからさまにシッコをオマージュして社会派気取ってるようなところがどうも気に喰わない話でしたが、それ以上に気になったのはせいぜい数百メートルの高さしかない壁と遠心力で内部の空気を維持しているあのスペースコロニーの構造ですね。

・・・謎のフォースフィールドで閉じ込めているんだろうか。
その割には高速バス程度のサイズしかない宇宙船がスイスイ通り抜けていたが。

それはさておき、今回取り上げるのはコネチカット大学で文明の進歩をコンピュータでシミュレーションしたという話です。
以下ちょっと抜粋
====================
今回ターチン氏の研究チームは、複雑な社会の成立を予測する2つの数学モデルを作成した。ひとつは、農業と環境、地形だけに基づくものだ。もうひとつは、これら3つに軍事技術を加えたものだ。その後、これらのモデルと実際の歴史データとの照合を行った。

研究に参加したトーマス・カリー(英国エクセター大学で文化の進化を研究する講師)によると、「シミュレーションの結果を実際の歴史上のデータと比較してみると、コンピューターモデルは帝国の台頭を65%の精度で予測していた」。一方、軍事技術の要素を除外した場合では、モデルの予測精度はわずか16%に落ちたという。

具体的には、研究チームは、紀元前1500年~紀元1500年の時代における、アフリカ大陸とユーラシア大陸の地図を、100km四方のマス目に分割した。個々のマス目には、地形と海抜、および農業が行われていたか否かを特性として付与した。
====================
ただし、記事の続きでも述べられている通り、この数学モデルは中央アジアでの巨大帝国の台頭を予測できていないため、必ずしも完全なモノとは言えないそうなのですが・・・

 が、小官は問題のモデルに欠けている要素が既に判ったような気がします。
記事の画像を見てすぐに判る点として、モンゴルと中国の内陸部、そしてメソポタミアと紅海沿岸部が史実では高レベルの文明が存在していたにもかかわらず、コンピュータモデルではこれらの地域は田舎であるはずだという結論が出ています。

で、問題のモデルですが、これは農業・環境・地形・軍事技術をファクターとしてシミュレーションを行っております。
すると当然の事ながら、モンゴルや中央アジアでは如何なる性格の文明が発達したかという史実を考えれば自ずからターチンモデルに欠けているものが見えてくる。

歴史上モンゴル帝国が台頭できたのは、かの地に住む遊牧民たちが生活の手段としていた馬術がそのまま軍事転用され、史上最大最強の騎馬軍団が出来上がったからだと言われております。
また、モデルでは文明がほとんど存在しない筈だと予測されているアラビア半島に住む人々が何を生業にしているかと言うと、これもやはり遊牧です。

無論、農業というものを自然界に存在するバイオマスを人間の摂取可能な形態に転換する技術であると位置付けた場合、遊牧に限らず畜産一般というものは植物ではなく動物を利用する性質上面積当たりの生産能力にハンデがあるわけですが、動物を利用する技術という事は馬という機動兵器を運用する技術であり、ロバやラクダといった運搬手段で戦争に不可欠な補給を賄う技術ともなる。

・・・おそらくはここの部分で産業形態ごとに得手不得手な分野が出てくるという要素が織り込まれていなかったことがこのモデルの不完全な部分であったと思われるのです。

0 件のコメント: