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2008年9月3日水曜日

戦車必要論

前回は変な”自称平和主義者”の話をしたわけなんですが…一体何なんでしょう、探せば(別に積極的に探したわけではありませんが)
ネット上にもおかしな人のいることいること。

…ま、小官もいいかげんおかしいわけなんですが、今回紹介するのは
戦車不要論のこの記事です。

戦車不要論ってのは大昔からある話ではあります。
そもそも戦車は航空機に弱いという厳然たる事実があり、例えばどっかの空軍の”るー君”戦車の神の先祖を大量にぶっ殺しまくった事例があるくらいです。

ところがどっこい、ここですぐに「戦車=不要」という事にはなりませんでした。
事実、るー君の活躍にも関わらず、ベルリンはあっさりと王蟲の群れの如しT-34の大群に蹂躙されてしまったのです。

…航空機はたしかに有用なのですが、まず航続時間に限界があるので、必ずしも万能という具合にはいかないのです。
事実、イラク戦争でも米軍は航空優勢をほぼ確実なものとしたにも関わらず、結局陸上戦力を投入して大規模な地上戦を展開するという二度手間を掛けています。
とくに、巧妙に構築された陣地に引きこもって戦う敵地上軍を相手に戦うというような状況だと、どんなに砲爆撃の雨を降らせても、こちらの歩兵が擂鉢山に星条旗を掲げるまでは「勝利」とはなりません。

すると、ここでやっぱり戦車が出てくるわけです。
例えばチハたんは戦車の中では最弱もいいとこでしたが、
「戦車を持たない軍」を相手に戦う時にはその能力をフルに発揮した事が知られています。

おまけに航空機は基本的に一機あたりの価格が高いのです。
戦車の値段は一般的に数億くらいだと言われてますが、対戦車ヘリなんかだとその数倍くらいするらしいです。
たとえば90式先輩が9億強、でもってAS1S対戦車ヘリが38億。
まあ…それでも「ほとんど撃墜されない」というのならいいのですが対地攻撃となると対空機銃やミサイルにさらされますんで、そういうわけにもいきません。

…戦車不要論者が戦車の天敵としてもう一つ挙げるのが、大型の携行火器や対戦車ミサイルとかの類いですが、じつはこれもやっぱり万能というわけにはいかなかったりします。
最新の対戦車ミサイルなんかは敵の直前で急上昇して敵戦車の上面装甲を狙うトップアタック機能を持ったのがあったりしますが、これも決してお安いわけではありません。

より単純な対戦車兵器として、整形炸薬弾頭を飛ばすRPGなんてのがあり、こっちは数万円程度で手に入るみたいですが、お安いだけあってスペックが…(汗)

そもそも考えてもみて下さい。
この種の兵器のおかげで歩兵に「戦車を撃破できる能力」が備わる。
…そこまではいいとしても、「戦車を撃破できる能力」ならば他ならぬ戦車にだって備わっています。

しかも戦車には、歩兵には無い重厚な装甲と最大で時速70キロくらいで荒れ地を走り回る能力があります。

より軽量で小回りの利く車両に対戦車ミサイルを積んで走らせようという話もあったようですが、結局肝心のミサイルがバカ高いシロモノになっちゃう事が分かって中止になってたりします。

…とまあそんなわけで、戦車が地上戦から姿を消すのは当分先の話になりそうです。

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