おっしゃ先任、始めよう「超不都合な科学的真実」今回は遂に最終章だ。
やっとここまで来ましたか、もう一年くらいになりますか?
実に鮮やかなお手並みで…
……
……
(イライラ)
最終章である第十一章は
「自然との共生が人類の未来を切り開く
ー想念や感情のコントロールを経て愛のある進化へ」
となっている。
その内容は
・この世のすべての物質に生命が宿っている
・想念も感情も物質なのか?
・病気や危篤的状況はいかにして回避するか
・DNAは感情に敏感に反応する!
・チベットの伝統医療が現代人に教えるもの
・資本主義社会の欺瞞に惑わされないために
ここで本書全体の結論が述べられるという形だな。
まあ、前提にしている話からしてことごとく科学的根拠の怪しいものばかりなんですけどね。
とりあえず、解説しない事には始まるまい。
まず「この世のすべての物質に生命が宿っている」
ここの導入はこうだ
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人間、動物、植物は明らかに生きている。では、足下に転がる石や土が生きていると思えるだろうか?土や石が集まってできた山で、火山活動があれば、生きていると言えるのに、部分だけを切り離すと、生きているとは言い難くなる。
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…「火山が生きている」ってのは生物学的な表現ではないと思うのだがな、その辺どうなの?
完全に混同してますねぇ、この著者は。
今時中学校でも「生物の定義」として代謝機能と生殖機能を持つという条件は習う筈なんですが。
で、万物を構成する原子はほとんどスカスカの筒抜けだから、生命の正体は科学では検出できないほど微小な粒子だとか言っている。
これが次の節の「想念も感情も物質なのか?」につながっている。
その内容は「魂はレプトン・ガスという物質だ」というものだ。
そしてレプトン・ガスは物質世界の全ての情報を記憶しており、人間の想念を超光速で伝達するのだと言っている。
レプトンって、普通は電子とかニュートリノの事ですよね?
だけどここには「電子よりはるかに軽い微小レプトン」なんて言い回しが出てきますよ。
前の章で紹介できなかったデムパネタ一挙大放出だな。
で、第三節「病気や危篤的状況はいかにして回避するか」
ここは結論の部分だけ取り上げよう。
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ガン細胞は我々の体の一部が変化したものであり、それを敵とみなせば、自己を敵とみなすに等しい。自己の存在を否定する事は自殺行為であり、これまでのガンを攻撃するというスタンスでの治療が、努力のわりには報われないのも、ある意味、当然なのかもしれない。
本来ならば、万物を自己と同一視して、共生すべき対象として愛を傾けることの方が重要なのだろう。
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人体に元々備わっている免疫機構だってガン細胞を敵とみなして攻撃するのだがな。
そもそも、ほとんどの高等生物の細胞には「アポトーシス」といって個体を生かすために一部の細胞を自殺させるメカニズムが存在する。
こういった事実を述べないというのはどうもね…
第四節「DNAは感情に敏感に反応する!」では、特殊な容器に入れたDNAを研究員に与えて、研究員の感情にDNAがどう反応するか調べた実験が出てきますね。
DNAがポジティブな感情に反応して活性化し、免疫力を強化したとかいう話ですが、水で似たような実験をした話がありますよね。
結局その件は追試不能であることが判って
「水はなんにも知らないよ」なんて言われてますが。
で、その次が「チベットの伝統医療が現代人に教えるもの」だな。
ここも引用してみよう
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酒の飲み過ぎで肝臓を悪くしていれば、酒を断つように助言したり、糖尿病の患者には甘いものを摂らないように助言するのは当然なのだが、患者があまりにもお喋りだったりすれば、もっと穏やかにするように日頃の態度を改善するようにといったアドバイスまでする。というのも、患者の日頃の生活習慣や言動が病気を引き起こす一因になっていると考えられているからだ。体の中の何かに偏りが生じれば、それを中和する逆のものが必要となる。生活態度においても、しかりなのだ。
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これは古代ギリシャの医療の考え方と同水準ではないかな?
例えば冷たい麦粥ばかり食ってて病気になった人には、温かい麦粥を与えるという話。
チベット医療ではそれを「hot」「cold」「windy」の三つのエネルギーに結びつけて考え、古代ギリシャでは「熱」「冷」「湿」「乾」の四元素に結びつけて考えてたというごく大雑把な話。
まあ、エゴを捨てればネガティブな感情を抱かずに済み、健康になるって話は間違っちゃいませんけど、ストレス軽減以上の効果を期待するのは危険ですよね。
で、すべての結論が述べられている第六節
「資本主義社会の欺瞞に惑わされないために」
ぶっちゃけここのところは陰謀論以外の何物でもない。
事実、その内容はこんな感じだ。
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ソマチッドを発見した牛山篤夫博士やガストン・ネサン氏、父親をガンから救いたいと考えたサム・チャチョーワ博士、自然と昆虫を愛して反重力を発見したヴィクトル・S・グレベニコフ博士、植物が意思を持つことを発見したクリーグ・バックスター氏、生物と無機物の間には境界がないことを発見したジャガディス・チャンドラ・ボース卿、本書では大きく取り上げなかったが、世界中の人々に無料で電気を供給する方法を見出したニコラ・テスラ氏など、数十年から100年以上も前に人類にとって最重要とも言える業績を残している。
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ニコラ・テスラの業績が偉大なことは今更でもないが、それをこんな怪しい連中と列挙するなんて酷い話じゃないかね。
まあ、彼には電気工学分野での業績とはまた別にデムパの話が尽きませんからね。
でもって、そういったデムパネタばっか集めてきておきながら
「筆者は、本書において、見落とすべきではない情報をあえて掘り起
こした。現代人は、何が重要なのかを判断する基準すら見失ってし
まっていると感じたからだ。」
この人は何が重要なのかを判断する基準より科学的とはどういう事かを知っておくべきだと思いますね。
あ…結論取りやがったな。
いいじゃないですか艦長。
これで一応は大団円となったわけですから。
…シャンパン開けます?
いや、寝てくる。
なんだかただただ疲れた。
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