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2009年5月6日水曜日

続新書店戦争

 小官は先週の記事で新書店戦争の勃発を伝えました。
そして今回は琉球新報の4月30日号第五面にジュンク堂と宮脇両方の社長インタビューが載っていたのでその内容を一部抜粋でお伝えしたいと思います。

=まず、ジュンク堂の工藤社長================
ー那覇店の特徴は
「全国各地の旧市街地にその県で一番大きな店をつくっているのが当社の特徴だが、那覇店は池袋本店などに次いで三番目程度の規模になる。ワンフロアが広く、在庫量では最低百二十万冊以上と池袋に匹敵し、日本最大級になる」
「全国的には問屋に商品構成を任せる本屋も多いが、当社は担当者が自主的に発注し、品ぞろえや並べ方などを考えている。地元の書籍もかなりそろえた」
中略
ー他の大型店も開店し県内業界は活気づいているが、中小業者は脅威に感じる向きもあるようだ。
「おのおのの役割分担があると思う。例えば雑誌なども、当社は普通の書店が置かないようなものまで置いている。本好きな人たちは本屋をはしごすることも多い。ほかにも新しい書店ができるのはうれしいことだ」
ー年間八億五千万円の売上高を目指している
「かなり難しいと思うが、五年ぐらいかけて達成できるようにしたい。イベントなどよりも、まずは地元の人たちに認知されるよう腰を据えて頑張りたい。町の振興はもとより、長い歴史を持つ沖縄の文化に、本を通して少しでも貢献ができればと思っている」
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要点をまとめると、
「大型店出すけど警戒しなくていいよ」
「すぐに収益が出るとは思ってないけど
 時間をかけて地元に根を下ろすつもりだよ」
といったところでしょうか。

=一方宮脇書店の宮脇社長==================
ー宮脇書店として県内最大規模の出典の狙いは。
「沖縄で十四店舗を展開しながら、最大の人口、商圏を有する県都・那覇市に店舗がないのは画竜点睛を欠く。とまりんから一度は退店した経緯があったが、那覇近郊の読者に申し訳なかった。県内本店として充実した品ぞろえを意識した」
中略
ージュンク堂も開店し、競争が激しくなる。
「一九八八年の県内初出店時、車社会であるのに駐車場をきちんと備えた書店がほとんどなかったので、駐車場を充実させた。レンタルビデオなどとの複合店でなく、宮脇は本専門を貫き、読者の信頼を得てきた。本に触れ、中身を確認して買うのがベストだ。ジュンク堂さんは大都市中心に展開してきたが、宮脇は地方都市でのノウハウがある。必要にして十分な品ぞろえと自負している。店にない本を迅速に取り寄せるフォローも強みだと思う」
ー県内の中小書店からは大型店に懸念の声もある。
「地方では雑誌やコミックを置くコンビニが中小の書店を苦しくしている。大型店が浸食していないとは言わないが、それだけではない。活字離れで出版市場は縮小する中、出版点数は増えている。宮脇の出店で本を手に取る機会が増え、沖縄全体の読書文化の向上につながるのではないか」
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つまりは
「ジュンク堂?こっちが先輩だもん、みっくみくにしてやんよ!」
「中小の書店?そりゃうちらみたいな大手が脅威にならないとは
 言わないがね、コンビニや活字離れの方が問題だろうがよ。」
…うーむ、とても好戦的だ。

戦略シミュレーションに例えてみると、手探り足探りで大型店を投入してきたジュンク堂を、地の利を得て準備万端整えた宮脇が迎え討つという状況なので、やはりこれは宮脇が若干有利かも知れません。
だけど、ミリタリ系の資料集や趣味の本なんかに中々ナイスなものがありますんでジュンク堂にも負けてほしくありません。

しかしまあ、工藤社長から”五年ぐらいかけて”という言質は取れてますんで向こう数年はジュンク堂が立ち去ったダイナハ跡で地団駄踏むというような事はしなくて済みそうです。

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