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2011年11月11日金曜日

統帥権を連呼する旧軍部の如し民主党

今日、国会中継でTPPの件で揉めてるのを見てたところ

「国会で日本全体としての意思の統一をやってない状態で
 内閣がいきなりTPP参加をやり出したのは乱暴ではないか」
という趣旨の突込みを受けたところ枝野が
「交渉において自らの手の内を明かすと交渉相手に付け込まれる
 事になるので、秘密にしておかなければならない事がある」
という答弁をしてました。

…これ見て小官は別宮暖朗氏の「軍事のイロハ」という本の記述を思い出しました。

Q:戦前の日本は統帥権が独立していたため、軍隊が暴走した
 といわれますが…
A:戦前の日本では「統帥権」はよく機能しませんでした。

という項にこういう記述があります。
 少々冗長ですが・・・
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 さて、本来の統帥権となると、内閣の指揮が及ばないと解するべきですが、この場合、統帥権が平時における軍隊の指揮権まで及ぶかという問題があります。明治憲法をつくった伊藤博文が考えたのは明らかに、戦時における作戦について意図を秘匿せねばならないということでした。これは当然のことで、部隊の移動が敵に知られ、待ち伏せをくらってはたまらないわけです。
 イラク戦争においても自衛隊の行動予定について新聞記者が知る権利があるというのがありましたが、テロリストの待ち伏せを考慮するとできないことは明らかです。同様に、作戦計画や新兵器の開発について議会で討論する事は、かなり困難です。
 一方、戦争を仕掛けるとなれば内閣の提案を受けて、議会の議決を得る事は当然であり、その時、作戦計画の是非が開戦するか否かに影響することも当然です。法理的には、統帥権は戦時における軍隊の作戦行動に関することに限定されます。
 この開戦の提案権について、戦前の軍部は戦略出兵と政略出兵に分け、あたかも軍部に戦争の提案権があるのが当然だとしたわけですが、これは明治憲法を歪めた解釈だったというべきでしょう。
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…早い話が、敵さんに出し抜かれては困るから
"戦争中の作戦行動だけは"秘匿しておきましょうというお話を、戦前の軍部は歪めて、軍部が勝手に戦争を始めて政府や議会はこれを追認する形でいいんだという論理にしてしまった。
少なくとも別宮氏はそう解釈しているわけです。

 そして重要なのは
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一方、戦争を仕掛けるとなれば内閣の提案を受けて、議会の議決を得る事は当然であり、その時、作戦計画の是非が開戦するか否かに影響することも当然です。法理的には、統帥権は戦時における軍隊の作戦行動に関することに限定されます。
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この部分です。

 内閣をはじめとする政府首脳部が交渉相手国に当方の意図を秘匿する目的から、手の内を明かせないのは当然のことです。
しかし、それは外交交渉に関することに限定されるべきであり、交渉のテーブルに着くべきか否か、その交渉の結果が国内にどういう影響を与えるものかというところまで、議会の議決を得なくてもいい。
…禄に説明もせず議会は内閣の決定を追認するだけでいいんだとでも言わんばかりのやり口はいかがなものでしょう。

って言うか、尖閣の一件といい、野田が韓国詣でをしていきなり日本の税金を韓国を救済するために使うという約束を取り付けてきたりという連中の行動パターンを見る限り、あいつら専ら交渉相手国ではなく国内の反対派を出し抜くために情報を秘匿してきたようにしか見えないんですが。

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