かぐやの打ち上げが成功しましたね。
さて…
小官が最初にその話を聞いたのは2ちゃんねるでのことでした。
…なんでも、JAXAと大阪大学あたりがつるんで太陽光でレーザーを発振する実験をやったところ、変換効率42%を達成したとか。
これを応用すれば、レーザー衛星を使用して太陽エネルギーが確保できそうだとか。
小官のような手合いならば真っ先に飛びつく話だと思うでしょう?
ところが小官、これにはちょっと懐疑的だったんです。
そもそもレーザーというやつはエネルギー効率が著しく悪いです。
一般的に工作機械なんかに使用されている炭酸ガスレーザーなんかでもまあ、15%といったところ。
ちなみにこいつは従来型のレーザーの中では最高クラスのエネルギー効率を誇るとされています。
それ以外のレーザーになると、変換率数%は当たり前。
さらにヘリウムネオンレーザーとかになると、熱効率0.01%とかいう話なので、光学系に殆ど損失の無いブリュースター窓を使ったりします。
なので、従来型のシステムでレーザーガンを作ろうなんて考えると、
「こりゃあ、パワーに常温核融合でも使いますかぁ?」という話になるばかりではなく、得られるレーザーの十数倍の熱量が発振器にかかってくるので、放熱をよっぽど工夫しない限り敵の装甲をチリチリしてる間にこっちが火達磨になることうけあいだったわけです。
なので、媒体が2ちゃんだし、張り付けられていたソースもリンクが切れていたので、
「おいおい、マジかよ。」というのが第一印象であったわけです。
しかしこれがどうやらマジネタであったらしい。
これは大きな技術的飛躍です。
ただまあ、昨日やってた007みたく、こいつが太陽光をエネルギー源とした指向性エネルギー兵器となり得る可能性もあるわけで、その点について研究グループが公開しているPDFを見ると、
・ビームを太く広げて送るので、エネルギー密度は太陽光の数倍程度に抑えられ、「そこまで危険」ではない。
・発振器が地上から送られる誘導用のレーザーを種火に増幅する構造なので、これが消滅すると即座に発振が停止する。
という事で「平和利用」を主張しておるようです。
だけどこういうのは基本的に「設計次第、運用次第」ですもんねぇ、
多分既にアメリカさん辺りは注目していて、「技術資料よこせ」とか言ってきそうな気がします。勿論レーザー砲実用化のために。
無論、これは兵器目的ばかりでなく平和的な宇宙開発にも立派に使用できる可能性があります。過去の記事でも指摘した通りです。
が、今回、小官は敢えて主張したい。
技研は今年、指向性エネルギー兵器の開発にも予算を振り分けたのだから是非とも今回の話には手を出して頂きたい。
「共同開発」の名の下に米国に技術を提供させられているMDは、日本に於いては、ミサイル到達までの時間が短い事もあり、特定アジア方面からのミサイル攻撃に対応できない可能性がある。
だが、レーザーならば瞬時に目標へ到達する上に、基本的にエネルギーが続く限り撃ち続けられるので、日本が核武装無しでこういった国々からの核恫喝を退けるという事を考えると、地上配備型対空レーザーの開発と配備に十分な予算を投入して然るべきでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿