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2007年12月15日土曜日

人斬り包丁概論

ハンスどん、大変でごわす!
エゲレスで廃刀令が出るでごわす!

艦長ぉ…何なんですかいきなり。今週は「超不都合な科学的真実」でコントをやる予定だったんじゃないですか?

んな不燃ネタは来週まで保留だ。今回は日本刀の話をするぞぉ〜!

無駄に燃えてますねぇ…
まったく、この人はわけのわからんモノに変な情熱を注ぐから

さて、ウィキ等で調べれば日本刀についてある程度の一般論は仕入れる事ができるだろう。
で、現代でもまあまあ論争のあるところなのだが、
「実際日本刀ってどんだけ強かったのよ?」
という問題を扱ってみよう。

はいはい、えっと…どれどれ
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日本陸海軍が将校の主要兵器として軍刀を採用し続け、サーベル様式の軍刀拵えに日本刀を仕込むのが普通となり、さらには日露戦争における白兵戦で近代戦の武器としての日本刀の有効性が確認され…
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日本刀をサーベル拵えにしたって…もしかして、某空想海賊アニメで世界政府の軍隊が標準装備してる「あの軍刀」ですかね?

多分元ネタはそのへんだろうね…って、ネタに走るなよハンス。
大体お前さんはツッコミ担当じゃないか。

じゃ、艦長がボケて下さい。

ああ言えばこう言う…まあいい。
結論から言ってしまえば、戦場に於いて日本刀は必ずしも有効な兵器とは言えなかった。

えっ、でもけっこう「最強の刃物」ってイメージがありますよね。
そりゃ演出や使う人の技量なんかもあるでしょうが、「海皇記」なんかでも、鋼鉄製の甲冑を着込んだ傭兵を一瞬で両断しちゃってるし。

よくよく武闘系の漫画を読むんだねぇ、おまえさんは。
だが、どんなに良く切れても、届かなければ意味が無い。
仮にライトセーバーのようなブツであっても、接近戦兵器である以上相手を攻撃するためには会話が出来るくらいの距離にまで近付く必要がある。

火縄銃の三段撃ちでアウトレンジされたら、どーしょーもないわけですか。…ロマンのかけらも無い話ですね。

軍人がロマンですと?
そんな寝言を言うようだから二尉止まりなのです貴方は。

銀英厨乙。
じゃ、「日本刀の有効性」って一体何なんです?

先任、その「銀英厨」という発言は覚えておくから、後で甲板へ出るように。
俺がサーベルで斬り掛かるから、卿にはケブラー製の手袋で真剣白刃取りをやって貰う。

わかりましたよ、あとで真剣白刃取りだろうが龍昇閃だろうが気が済むまで付き合ってあげますから、本題に戻って下さい。

日本刀の問題点。
それは一にも二にも「間合いが短い」という事に尽きる。
事実、日本刀に槍のように長い柄を付けた長巻が作られたりだとか、また戦国時代の武家では実際に槍の有効性が大きく評価されて、様々なタイプの槍やこれを扱うための流派が出現している。

じゃ、日本刀って結局何だったんです。
近代の軍隊で言うところの軍用拳銃みたいなものですか?

惜しいね、実は日本刀が兵器として本格的に活躍し始めたのは、応仁の乱の頃だって言われている。
この頃、みかどのおわします京の都では足軽によって貴族同士の代理戦争が行われていた。
ただし、この時代の足軽ってのは、胴巻きを着て槍を持ったようなのではなく、普段は民間人に紛れ込んでいて、事を起こす時に集団で武器を手に貴族の邸宅を襲う…といった感じだったらしい。
で、こいつらの主兵装が「日本刀」だったんだな。

民間人に偽装した貴族の私兵がねぇ…今で言うとヤクザ屋さんが政治家の手先となって東京で抗争をしてたようなもんか。
そりゃ国が乱れるわけだわ。

その後、日本の政情がある程度安定すると、日本刀は今度は大陸へ輸出されるようになる。
前期倭寇の海賊達や秀吉の朝鮮出兵といった事例によって日本刀の威力が大陸でも認識された事情があったからなのだが、その後これらの国々では倭刀や苗刀といった日本式の刀剣が製作され、軍隊の正式装備にもなった。

そういえば、チェオクの剣なんて韓流ドラマがありましたけど、あの後どうなったんでしょうね。
まあ、韓国と言えば最近は武士道だけでなく漢字や儒教の元祖まで主張し始めて、中国にも顰蹙を買ってるそうですけど、自衛隊と中国軍を同時に相手取る事を考えれば、国家予算に対するあの重武装は納得できますね。

嫌韓厨乙、いちいち相手するのも面倒だから次の時代に進むぞ。
ラストサムライの時代、西南戦争の時。西郷の薩摩軍は田原坂にて政府軍に多大な損害を与えた。これに対抗するため政府側は当時、元士族の多かった警官から抜刀隊を組織して薩摩軍を退けた。
ここで明暗を分けたのがやはり日本刀だった。

あ、…冒頭の西郷どんのネタってこれの伏線だったんですね。

たまたまだよ。たまたま!
さてと、ここまでの例で大体気付いたと思うが、
「日本刀が有効な状況」って何だと思う?

人を斬る状況。

ハンス君、手袋は使わずに真剣白刃取りにチャレンジしようね。

すいません、真面目にやります。
えっと…市街戦でしょ、山野戦でしょ、何というか障害物の多い地形での戦いが多いですかね。

そう。飛び道具にしろ長手の武器にしろ懐に飛び込まれると弱い。
平地で集団戦をやるときはきっちりと密集陣形を組んで敵を寄せ付けないが、市街地や雑木林に入り込むと、障害物が多くて密集陣形を組むわけにはいかないし、見通しも悪いから、懐に飛び込まれる危険性もがぜんアップする。
大体、障害物の多い場所では、長手の武器は取り回しがアレだしな。

あと一対一でやり合う状況なんかも考えると、槍や長刀なんかは横にいなされて懐に飛び込まれるともうお手上げですもんね。

そう、武器には「得意な距離」というもんがあるんだ。
ウィキの「倭刀」の項目にも似たような話が載ってたが、
ヨーロッパでも「銃士隊」というのが作られた。
いわゆる三銃士のアレだが、長射程のマスケット銃と接近戦用のレイピアを組み合わせて、両者の死角を補った当時の最新戦術だった。

はあ…なるほどね。

ただ、敢えて言うならば日本刀はバリバリの接近戦武器なので、市街地では特に有効性が高いと言えるだろう。
明治時代の廃刀令然り、今回のイギリスの件も然り。
まあ妥当と言えば妥当な判断だが、日本刀を悪用した事件が百件というのは…「剣」なんだから危険なんだってのは判りそうなもんだけどやっぱアレかな、日本で厨房がナイフ振り回して警察の厄介になるのと同じなんだろうか?
どう思うよ先任。

サーベル振り回したがるような艦長には聞かれたくありません。

さよけ。

とにかく、次回こそは予告通り「超不都合な科学的真実」ですからね?

あい、判りんした。

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