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2007年12月24日月曜日

反戦軍事学を笑う その弐

ムグムグ…先任、そろそろ始めようかムグムグ

ハフハフ…そうですね艦長ハフハフ…でもその前に
ハフハフ…鶏肉を食べるのを中断しましょうハフハフ

んだなムグムグ… ぬんがふっふ! ゲフン…
世間様はクリスマスですが、皆様いかがおすごしでしょうか?

しかし艦長、クリスマスに合わせるのは判りますが、一昨日電波解析をアップロードしたばかりでもう始めるんですか?
普通にネタでもいいと思いますよ。
海上自衛隊がミサイルの迎撃に成功したり、ロシアのステルス機の話が出たりしたじゃないですか。

「正月ゆっくりしたければ、年末に倍働かなければならない」というのをおまえさんは知らないのかね?
なにしろ「反戦軍事学」はそうそう問題ではないのだが、
「超不都合な科学的真実」は十一ものデムパが縦深陣を布いているのでな、だいたいこのブログが一周年を迎える頃まで貴官の間の手が要るのだよ、だからネタを早く消化してしまおうじゃないか。
というわけで…電波解析コント「反戦軍事学を笑う 第二部」!

ヤヴォール。第二部は中級編という事で、
「軍事問題はさほど難しくない、毛嫌いせずに
 一般レベルくらいの知識は持って欲しい」
という事を言ってるような雰囲気? …その内部構成としては
一.誤解されやすい軍事用語
二.海軍の基礎知識
三.イージス艦VSテポドン
四.軍事用語は、なぜややこしいのか
となっていますね。
しかし、自分が読んだ感想としては、一般の読者に
「軍事は難しくないんだよ、簡単だよ(はあと)」という話をやりますよと宣言している割には、枝葉の軍事用語のうんちくにばかり終始していて「そもそも軍事とはこうである」という話が殆ど無かったですね。
…これは艦長が不燃ネタと仰るのも判ります。

うむ、軍事系の雑学を開陳して「軍事は難しくないんだよ」とやるのならば、ネタごとに小分けにしてまとめ、
「林信吾の軍事ミニ百科」とでも名付けて本編外の場所に付録として添付するという形式をとった方が読者には親切だったろうね。
まあ…ノンフィクションにしては突っ込みどころ満載のコーナーになっただろうが。
逆に「軍事の基本を解り易く説明しましょう」と宣言したのならば、文明が始まった頃には既に戦争があったという辺りから解説を始めて、「現代の軍事に関する一般論」まで持ってくるべきだったろう。

ちなみに、艦長はそのテの話どのくらいできますか?
基本的に技術屋でおまけにネタしか言わないような方だから、あんま期待はしませんけど…

そうだな、義務教育でも使う日本史の教科書には、縄文時代が終わって弥生時代の農耕文明が始まるとまもなく、村と村との間で抗争が始まり、豪族が現われ、その豪族をまとめる形で領主が出てきてやがてヤマト王朝が日本をほぼ統一したってな事が書かれてる筈だ。
で、一般的に人類史のセオリーによると、地球上に最初に農耕文明が
誕生したのが現代のイランの辺り。
…大体紀元前五千年頃の事だって言われている。
それからおよそ二千年後にシュメール人が現われた。
彼等のルーツ自体謎だと言われているが、人類史に始めて文字や暦を持ち込んだのが彼等だとの事だ。
ちなみに、旧約聖書によると、シュメール人の都市国家「ウル」に在住の資産家だったアブラハム氏は、デムパを受信した結果、親戚を連れて旅に出て、以下略でイスラエル人の歴史が始まったらしい。
この時代のシュメール人の都市は神殿を中心に作られており、周囲は城壁で囲まれていた。
外敵がいなけりゃ城壁は必要ない…おそらく、この時代に既に戦争が行われていたのだろうと推測されている。
つまるところ、文明はその誕生のときから戦争を内包していたわけだな。
「人類の歴史とは戦争の歴史」なんて言われるのは、この辺にも根拠があるんだろう。
…もっと聞きたい?

いや、日付が変わっちゃうんでいいです。

あ、そう。
最低でも「七人の侍」を引き合いに出して、降り掛かる火の粉を振り払うだけでも軍事力は必要。
…そもそも戦争というものにこれといった正義と悪があるわけではないというのはガノタすら知ってる一般認識ですよね?
くらいまではやりたかったんだが、まあいいだろう。
とにかく、第二部の内容は軍事に関する一般論と軍事用語の解説が渾然一体となっていて、読解力の乏しい人間には不親切だ。
こと軍事用語の解説に関しては、あっちこっちで叩かれているように間違いが満載で、ネットでも「もっと資料掘ってから本を書け!」と言われているまさにその通りなんだ。
ここみたいな「個人のブログ」に書くのなら、あの程度のクオリティでも問題無いと思うが、それでも、コメント欄で間違いを指摘されたら素直に認めるくらいの事ができないと…燃えるだろうね。

……

ところでハンスはこの章の間違いでどこが気になった?

軍事のうんちくをやってる割には、あっちこっちで乱暴な論理展開が目立つんですけど、テポドンの一件を人工衛星の打ち上げ失敗と見るのが妥当だと言ってるのが気になりましたね。
自分はあの騒ぎのとき、テポドンの事を人工衛星と主張していたのは北朝鮮だけだったように記憶しているんですが。

うん、それまで散々日本海へ向けて
(宇宙ロケットではなく)「ミサイルの実験」をやっていたのに、日本列島を飛び越えたらいきなり人工衛星だと主張し始めるのはいかにも不自然だよな。
なのにそれをまんま信じるなんてジャーナリストとしてアレだよな。
おまけに、サッカーの中継中にテレビに流れたテロップに過剰反応してテレビ局に凸しようとするなんてねぇ。
他には?

イージス艦については、この章の中で今のところ弾道ミサイルに対しては手も足も出ないとやってますが、ついこの間みごとにはたき落とせるようになった事が証明されましたよね。
この件に関しては著者を責めるわけにはいかないけれど、この本、第一刷が発行されたのが去年の12月30日…
是非とも時代遅れになった記述を修正した第二刷の発行を期待したいものです。

おいおい、誰がカネを出して買うと思ってるんだ。
…まあ、小官が気になったのは、海軍と空軍の記述だな。
木造帆船の時代まで商船と軍艦の性能の差はさほどのものではなかったって記述はちょっと酷い。
舷側に大砲をアホみたいに並べてハリネズミの如く武装した戦列艦があれば、ちょこまか走り回ってなかなか捕まえられないジーベック艦だとか、この時代でも日進月歩ってほどではないにせよ、各国は強力な艦船の開発に余念がなかった。
こういった研究の結果、蒸気船の登場前夜にはクリッパーのような高性能帆船が登場したし、現代のヨットの原型もこういった時代にオランダで開発されたと言われている。
それに、大鑑巨砲主義のところでも、ノンフィクションだと言っておきながら、航空機の有用性が証明された時代に巨大戦艦を建造する愚を説いているが、当時はまだ「戦艦ダメぽ」ってのは確定ではなかったし、ブロック造船法すら無かった時代に戦艦の建造に一体どれだけ時間がかかると思っているのやら…

言いたい事はそれだけですか?

空軍の記述がまだだよ。
まず、重航空機と軽航空機の区別がはしょられているな。
ミリオタを名乗るのならば、戦史として知っていておかしくないと思うが、戦間期の頃まで主として軽量強力な発動機が確保しにくかった事から、「飛行機」は速度でも航続時間でも「飛行船」には遠く及ばなかったのだ。
これで有名な例はツェッピリンのロンドン空襲だな。
「初期の空軍の仕事は偵察機を飛ばす事だった」と書かれているが、正味の話、偵察機は偵察機でも偵察気球が主流だった。
あと、「陸海に属さない新たな軍を創設する事になるので」憲法解釈の問題から日本は空軍をつくれなかったとも書かれているが、例えばアメリカでは空軍は陸軍から分離する形で出来たし、旧帝国海軍では条約で主力艦船の保有を制限されたもんで、長大な航続力を誇る陸上攻撃機等で火力を補わんとする「海軍の空軍化」という現象があった。
…陸海のどっちかが母体となれば空軍創設で帝国憲法をあーだこうだする必要は無かっただろう。
となれば、問題となったのは主として憲法より旧陸海軍の仲がめちゃ悪かった事じゃないかと思うんだがな。
陸軍とか空母まで保有してやがったし。

終わりましたか?

まーね。
じゃ、残りの揚げ鶏を食おうか。

そうすね…あーあ、すっかり冷めちゃってる。

土曜も「超不都合な科学的真実」で頼むよ。

萎えるような事言わんで下さいよ艦長。

ムグムグ…それじゃあ、ソマチットの話楽しみにしてて下さいね!

もう食べてる!

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