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2008年5月17日土曜日

神とデムパと

 なんか中国の地震の話題で持ち切りですね…
小官、今回の地震があった場所がよりにもよってチベット関連で暴動があった場所だったもんで、どうも今回の一件で人権問題の話がうやむやになりそうな気がします。

さて、そんな中地震の発生がおよそ半日前に2ちゃんで預言されていたとかで「神光臨?」と話題になっているとの事です。
…まあ、この種の神様がごく稀に2ちゃんに現われる事は非常によく知られた現象でありまして、過去にはジダン選手が頭突き攻撃で退場になった事案がなかなかにユーモラスなアスキーアートで預言された事もありました。

ところが…
今回の件に関してこんなブログを書いてる人がいました。
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マスコミの反中プロパガンダが凄まじく、テレビのニュースが地震災害報道なのか中国敵視宣伝なのかわからなくなっている。テレビ朝日の「報道ステーション」だけでなく、NHKの「7時のニュース」も同様で、目の前で膨大な犠牲者が出て中国全土が悲嘆と焦燥の中にあると言うのに、報道の視線や口調には被災者である中国国民に対する同情や思いやりがなく、逆に中国に対する冷視と猜疑ばかりが際立っていて、視聴者である日本の国民に中国に対する嫌悪と不信を増幅させる内容になっている。これはフラットな地震災害の社会報道ではなく、地震災害を利用した政治的な反中プロパガンダのシャワーだ。現在の日本の刺々しい反中世論の空気は、3年前の反日デモのときよりも深刻で甚だしく、6年前の北朝鮮拉致問題の状況と同じほど毒々しく、強い敵意と反感の圧力が高まっている。
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反中プロパガンダ?
はて、小官が見た限りでは中国政府に対する我が国の報道機関の批判の口調はサイクロンの件で叩かれてたミャンマーの軍事政権よりずっと穏やかな感じでしたが?

…というか、ここでは明らかに「中国」と「中国国民」とが混同されてますね。
「人道支援をしよう」というのが「中国国民への思いやり」である事は言うまでもありません。
報道機関が叩いていたのは、何故に「中国政府が」それを拒むのか?
という事であるはずです。
それなのに「中国国民に対する」同情や思いやりが無いとか、逆ギレもいいとこです。

より判り易く言うならば、例えば東海地震が発生し、大勢の人が犠牲になったとします。
で、「被害が拡大したのは日本政府の対応がまずかったからだ」という批判が海外の報道機関から出てきた場合、それは日本政府に対する批判になりこそすれ、被害にあった犠牲者に対する攻撃とはならないでしょう。
まあ、被災者がその報道を聞いた結果、集団で日本政府に抗議するという事はあるかも知れませんが。

ところがこの人、やっぱり報道機関が「中国に対して」抱いてる猜疑心と、いわゆるネット右翼が「中国国民に対して」抱いてる嫌悪感とを区別する事が出来ていないらしく、こう続けています。
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ネット右翼の巣窟である2ちゃんねる掲示板では、「中国人がいっぱい死ねば地球は平和になる」などという読むに堪えない卑劣で悪質な書き込みが氾濫し、中国の国家と国民の不幸を面白がって囃したて、共産党支配の天罰が下ったと狂喜乱舞している。中国を卑しめ傷つける下劣な言葉を吐き散らかしている。まるで公園のホームレスを襲撃する暴力少年のようだ。こうした粗暴で悪辣な反中右翼のネット言論を煽っているのがNHKとテレビ朝日の中国報道であり、およそ公正中立とは無縁な、極端に反中的なメッセージがテレビを通じて溢れ出ている状況にある。昨夜(5/14)の「報道ステーション」では、中国が日本からの救助人員派遣を断った件を取り上げ、「強権国家だから」だとか、「軍関係の施設を見せたくないのか」などと無用な方向に話題を振り向け、加藤千洋やゲストの目黒公郎に執拗に同調を求めていた。
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…NHKはどうか知りませんが、少なくとも小官の記憶にある限りではテレビ朝日やら報道ステーションやらは2ちゃんでは専ら批判対象であったように思います。
で、硫化水素の件もそうですが、こういったメディアは若者が何か悪い事をするとほとんど短絡的にネット叩きに走る傾向が見られます。
…つまり両者は敵対している。
なのに、この人はここでも両者を混同しています。

 というか、15日になって中国は日本からの支援を受け入れる事を表明してましたね、他ならぬNHKでもやってました。
…この件に関して中国が他国からの支援受け入れを表明したのは日本が最初です。

 で、16日になってこれに続く形でほぼ泥縄的に韓国やロシアからの支援を受け入れるとも言ってきています。

正味の話、こないだのパンダ外交もそうでしたが、人権問題で欧米諸国からの批判が高まる中、中国は明らかに日本に接近する素振りを見せています。
まあ、当然これは国際社会で孤立する事だけは避けようという高度な政治的判断が働いた結果であり、ここで鼻の下延ばしてフラフラついてくと下手すりゃ火傷する結果になるだろうと小官は考えます。

しかしこの人、終始あたまに血が上ったまんまで、こういう具合に記事を締めくくっています
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日本に住む中国の人々は、日本のテレビの偏向報道に対して、正式に代表者と弁護士を立ててBPO(放送倫理検証委員会)に抗議提訴するべきで、CNNに対して講じたのと同じように裁判所への提訴も真剣に考えるべきときである。現在の日本のマスコミの反中プロパガンダのシャワーは、第四の権力による戦争挑発の扇動であると同時に人権侵害の幇助行為だ。
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人命救助に行こうとした人を何故か現地の政府が足止めした…
それに対して「おかしいんじゃないのか?」と言ったら
「戦争挑発で人権侵害」そして「BPOに抗議提訴すべき」

…ズレてます、明らかに何か大事な部分がズレてます。

ってか、そんな意味不明の抗議でプロパガンダだの戦争挑発だの言われた日には日中友好なんて…ねえ。

 まあ、今回は中国政府が支援受け入れを表明してくれたので、多分大事には至らないでしょう。
しかし、こんなのが「日本に住む中国の人々」の一般的な見解だとしたらこれは本当に困った事です。

このズレが後々大変な事にならないといいのですが。

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