ちょっとかなり前に
http://obiekt.seesaa.net/article/32367893.html
ここのコメント欄で
「レーザースクラムジェットを使えばSSTOは可能だ」
「貴様はどうかしてる」
と本題とは関係ない話をやがましくやって怒られたわけなんですが、あの後
スクラムジェットについてきちんと調べてみたところ、自分もどうやらスクラムジェットとラムジェットを混同して話を進めていたみたいなんで、謝罪もかねて追加のリサーチ報告をしたいと思います。
えっとですね、超音速で飛行中に機体の前面から取り入れた
超音速の空気流を 亜音速まで減速してやると、
「速度が圧力に変換されて」コンプレッサーと同じ作用が起こる
わけなんですよ。
で、そこにそのまま燃料を打って燃やしてやれば、
「駆動部のほとんど無い理想的なジェットエンジン」として機能するわけですね。
で、これはたしかに理想的なジェットエンジンではあるんだけど、
やっぱり問題がある。
第一の問題は「亜音速では遅すぎて機能しない」ってこと。
SR-71なんかはこの問題を「ターボラムジェット」といって、
通常のターボジェットと 組み合わせる方法でクリアーした。
だけど第二の問題がある。
それが小官の指摘していた
「スピードがより上がると、作動流体が断熱圧縮でアリエナイ 高温になる。
そこへ下手に燃料を打っても却って解離熱で 排気の温度を下げるだけ。
つまり推力が発生しない」
という問題で、小官はここで化学エネルギーではなく、レーザーを収束して
発生する プラズマを使えば
「より排気温を上げられるから速度限界を大幅に改善できる」
と主張してたことになるわけですね。
ところがこのラムジェットの速度限界ってやつは結構早くて、
大体マッハ6でやってくる
「それを回避するために出てきたのがスクラムジェットエンジン」
って事らしいです。
つまり、超音速の空気流を亜音速まで減速しちゃうと断熱圧縮でアリエナイ
高温 になってしまうのなら、超音速のままちょびっとだけ速度を圧力に変換
してやって、 超音速でクールな状態のまま燃料打って燃やしてあげようと。
そうすれば断熱圧縮の問題は回避できるから、
空力をよほど洗練してやれば、
エンジンに入ってくる空気のパワー<エンジンから出てくる排気のパワー
→つまり推力が発生する
というマージンを、マッハ25いや、マッハ15くらいまで確保できるんではないか、というのがスクラムジェットエンジンの考え方らしいです。
つまり、「排気温が燃料によって制限されている」というラムジェットの
速度 限界を、 「レーザープラズマの使用」によって力技で突破しようという、
小官の構想とはどだい違った思想に基づいているわけです。
で、スクラムジェットの速度限界についてなんですが、一番大きいのは
「サーマルチョーク」という現象らしいです。
こっからは専門書の受け売りになりますけど、
スクラムジェットってのは超音速のまま入ってきた気流を超音速のまま
燃やして 熱膨張させて推力を発生させるんですが、ここであまり急激に
排気温度が上昇すると、熱膨張の結果発生した衝撃波がエアスクープを
塞ぐような形になって吸気効率を低下させるんで好ましくないそうなんです。
(要は一種のバックファイアが起こってるのか?)
で、それを回避するためには燃料をちょびっとずつ打ってやらにゃならんと。
だけど速度が上がると、より緩やかな温度上昇でもサーマルチョークが発生しかねないくらいシビアな条件になってくるから、いくらスクラムジェットでも
マッハ10以上は ちょっと無理っぽいんではないかと。
それがまじめに研究してる人たちの声みたいです。
ではでは、次の更新でお会いしましょう。
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